こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「光合成曲線」について、解説しました。
光合成速度と呼吸速度からなる光合成曲線について理解できましたでしょうか。
見かけの光合成速度という言葉の意味がしっかりと理解できていれば、計算問題がでてきても問題なく解けると思います。
そこで、今回は光合成曲線をテーマとしている問題を取り上げてみたいと思います。
できるだけシンプルに解説していきたいと思います。
それではご覧ください。
光合成曲線の確認
まずはよくある光合成曲線を再確認してみましょう。
大事なのは、「見かけの光合成速度」、「呼吸速度」、「光合成速度」です。
そして、光合成速度=見かけの光合成速度 + 呼吸速度 であるということです。
この式は、すべての光の強さの条件で成り立ちます。
加えて、呼吸速度は一定であると仮定している問題がほとんどです。
それでは、問題を取りあげて確認していきましょう。
問1
2種類の植物に光を当てて、二酸化炭素の吸収量を調べた。
下図は、植物aはオレンジ色、植物bは緑色で二酸化炭素の吸収量が描かれている。
これらの植物の実験中の呼吸速度は一定とする。
①図中の植物aについて、暗黒条件で二酸化炭素の吸収量が-2だとしたとき、2000ルクスのときの光合成速度の2倍になる光の強さを求めよ。
②図中の植物bについて、暗黒条件で二酸化炭素の吸収量が-0.5だとしたとき、1000ルクスのときの光合成速度の3倍になる光の強さを求めよ。
それでは、同じ内容の問題を2つ用意したので、それぞれ解説してみましょう。
①の解説
まず図中の植物aがオレンジ色の線であることを再確認します。
暗黒条件で二酸化炭素の吸収量が-2ですので、これは呼吸速度のことです。
呼吸速度は2ですね。
2000ルクスのときに二酸化炭素の吸収量は1になっていますので、見かけの光合成速度がわかります。
見かけの光合成速度が1ですね。
呼吸速度が2、見かけの光合成速度が1ですので、2000ルクスでは光合成速度は3です。
問題文では、光合成速度が2倍になる光の強さを求めよと書かれていますので、光合成速度が6になる光の強さを求めます。
ここで6の場所を探そうとすると失敗します。
呼吸速度が2なのは変わりませんので、見かけの光合成速度は4になります。
そのため、二酸化炭素の吸収量が4を指しているラインをチェックします。
オレンジの線と二酸化炭素の吸収量が4である横線の交わる点を見つけて、光の強さを確認すると4000ルクスをわかります。
②の解説
図中の植物bは緑色の線です。
問題文から呼吸速度は0.5ですね。
1000ルクスのときは見かけの光合成速度が0ですので、光合成速度は0.5になります。
光合成速度が3倍になる光の強さですので、光合成速度が1.5になる光の強さが問われています。
呼吸速度は0.5ですので、見かけの光合成速度は1となり、3000ルクスとなります。
問2
2種類の植物に光を当てて、二酸化炭素の吸収量を調べた。
下図は、植物aはオレンジ色、植物bは緑色で二酸化炭素の吸収量が描かれている。
これらの植物の実験中の呼吸速度は一定とする。
③図中の植物aに2000ルクスの光を当てている際の重量増加と同じだけの重量増加を植物bがするには何ルクスの光を当てればよいか。
③の解説
初めに、重量増加が同じになるということがどういうことかを解説します。
植物の重量が増加するということは、植物体内に有機物が蓄積されるということです。
その有機物の元は二酸化炭素です。
つまり、二酸化炭素を吸収した分が重量増加となります。
このことから、見かけの光合成速度が同じであれば同じであれば重量増加が同じであると言えます。
今回の問題では、植物aに2000ルクスを当てているときの重量増加なので、見かけの光合成速度が1であることがわかります。
植物bの見かけの光合成速度が1になる光の強さは3000ルクスです。
回答としては、同じ重量増加になるのは3000ルクスを植物bに当てているときとなります。
追加情報
重量増加について解説しましたが、暗黒条件ではどうなるでしょうか。
暗黒条件では、呼吸のみが継続されるので、二酸化炭素は放出されます。
二酸化炭素を吸収しているときに重量増加になるので、放出している時は重量が減少することを覚えておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「計算1」と題したものでした。
光合成曲線の図を使った計算問題になれることができましたでしょうか。
光合成速度、見かけの光合成速度、呼吸速度の違いを理解していることが最低限必要です。
さらに、二酸化炭素の吸収や放出によって、植物の重量の増減が起きることを関連付けて覚えておきましょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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