(1-4)分子の極性(化学基礎)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回の記事では、「化学結合って多くない」と題して解説をいたしました。

イオン結合や共有結合などおぼえることがたくさんありましたね。

しかし、電子に注目して覚えてみるとわりと共通点があることがわかります。

今回は、分子の特性に関わる内容です。

すでに学んだ通り、原子の中心には陽子があり、原子ごとに数が違いましたね。

それによって電子が影響を受けるのですが、それはどのような影響なのでしょうか。

それではご覧ください。

分子の形

極性の話をする前に確認しておくべきことがあります。

分子の形です。

前回は電子式を使っていたので全て平面でした。

しかし、実際の分子は電気的な反発などによっていろいろな形をとります。

合言葉は「電気的なバランス」です。

いくつかの分子の構造をしるために、構造式、電子式といっしょにみて行きましょう。

①メタン

電子式は前回の記事でじっくりとやりましたね。

構造式は共有電子対を棒で表したもので、非共有電子対を記載する必要はありません。

電子式も構造式も平面図でしたが、実際の物質は平面ではなく、立体として存在しています。

メタンの場合は、炭素を中心として、水素が正四面体の頂点にくるような配置になっています。

電気的にすべての水素は同じですので、どの角度からみても同じ構造になるように正四面体構造を取っています。

②アンモニア

今回は窒素に水素が3個共有結合しています。

構造式だけ見ると反発しあって正三角形になりそうですよね。

しかし、実際には三角錐の形になります。

これには非共有電子対が関係しています。

非共有電子対と3個のHで四面体を形成していますが、非共有電子対とN-H結合の電子ではバランスが異なるため正四面体にはなれません。

また、非共有電子対を全部表示していくとわかりにくくなってしまいますので、NとHだけで表現できる三角錐という構造で説明されています。

③水

水は水素と酸素でできています。

水素と酸素の共有結合がありますが、酸素には非共有電子対が2つある状態です。

2つのH-O結合と2つの非共有電子対がありますので、それぞれ反発し合います。

ただし、非共有電子対は構造を書くときには表現しませんので、酸素と水素だけで表現すると折れ線形となります。

④二酸化炭素

二酸化炭素は炭素Cと酸素Oでできています。

炭素の価電子は全て酸素との共有結合で使用されており、非共有電子対がありません。

そのため、2つのC=Oの結合だけを考えればよく、電気的に安定な状態は真反対にある状態ですので、直線形になるというわけです。

このようにさまざまな形になります。

>>文献で記載されている構造の図

今回の4つの構造が一番出てきますので、これらを覚えておけば基本的には問題ないでしょう。

極性分子と無極性分子

それでは分子の構造を見ながら、極性について確認して行きたいと思います。

しかし、極性という言葉自体がまだはっきりと分かっていないと思います。

まずは極性について説明をしていきたいと思います。

極性とは

共有電子対が電気陰性度の大きい原子に引き寄せられて、分子内で電荷の偏りが生じる現象です。

電気陰性度の異なる原子が結合したときにおきます。

>>電気陰性度についてはこちらの記事へ

電気陰性度とは電子を引き寄せる強さのことでしたね。

ハロゲン原子が強かったことを思い出してください。

そこで、フッ化水素を例に上げて考えてみましょう。

左側が通常の書き方ですが、右側が電気陰性度のことまで考えたときの状態です。

水素よりもフッ素のほうが、電気陰性度が強いですよね。

そのため、共有電子対がフッ素のほうに引き寄せられています。

分子内で電子の偏りができるため、水素側では電子が不足気味になり、フッ素側では電子が過剰気味になります。

この僅かな電子量の違いを表すときに、「δ+(デルタプラス)」や「δ-(デルタマイナス)」といった書き方をします。

実は、極性は配位結合とも関連しています。

水分子やアンモニア分子は極性により、酸素や窒素に電子が引き寄せられていますので、酸素や窒素がわずかに陰性(δ-)となっているため、H+と結合しやすくなっているためです。

無極性分子

極性分子と異なり、結合している分子に電気陰性度の差があまりない場合には、電子を互いに引き合っているため、電子の偏りは起きず、無極性となります。

そのような電子の偏りのない分子を無極性分子といいます。

例としては、二酸化炭素やメタンです。

分子の構造が直線形であったり、正四面体形であったりしますので、電子の偏りがそれぞれの結合でおきたとしても、分子全体としては偏りがない状態であるためです。

このように極性の有無は電気陰性度に加えて、分子の構造にも影響を受けるので、忘れないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「分子の極性」と題したものでした。

極性を考える上で大事なのは電気陰性度と分子の構造です。

電気陰性度は元素の周期表の右上側が一番高かったので、なんとなく把握できると思います。

分子の構造は前回の記事で書いた通り、共有結合と非共有電子対で判断できると思います。

出てくる分子はそれほど多くありませんので、覚えられればそれが一番ですね。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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