原始的ミトコンドリアDNA複製酵素の発見

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こんにちは。アラフォーパパです。

今回も生物に関連する内容ですが、大学入試用というよりは、どこの大学で、どのような研究をしていて、どういった研究成果が出ているよという話題提供となります。

はじめての試みとなりますので、皆様に伝わるような記事がかければと思っています。

初回のテーマは京都大学の研究チームが報告した「原始的ミトコンドリアDNA複製酵素の発見」という内容で、京都大学の「最新の研究成果を知る」というページから見ることが可能です。

どこの大学を受験したいかを決めかねている方に、やってみたい研究が見つかって、大学入試に積極的に取り組む原動力になればと思います。

それでは、御覧ください。

ミトコンドリアとは

ミトコンドリアとは植物や動物の体内で呼吸の反応を行っている細胞のことです。

>>(1-22)呼吸の反応(高校生物基礎の総復習講座)

もともとは、真核生物の祖先に共生していた細菌(αプロテオバクテリア)で、現在では細胞小器官として存在しています。

酸素を用いて有機物を二酸化炭素と水に分解し、この過程で解放されたエネルギーを利用してATPを合成するという重要な役割を担っています。

もともと別の細菌であっただけあり、ミトコンドリアには外膜と内膜が存在しているなど、他の細胞小器官とは異なる様相を呈しています。

ミトコンドリアは細胞内で分裂・増殖するときに使用している専用のDNAポリメラーゼ(DNA複製酵素)を用いて、独自のゲノムを複製しています。

今回の研究は、このDNAポリメラーゼについての研究です。

真核生物の多くのグループでは「POP」と名前が付いたDNAポリメラーゼが働いていることがわかっています。

DNAポリメラーゼとは

DNAポリメラーゼとは、DNAを複製するときに働く酵素です。

もう少し細かな説明では、鋳型となる核酸に対して相補的なDNA鎖を合成する酵素の総称、といった書き方になります。

DNAを鋳型とするポリメラーゼとRNAを鋳型とするポリメラーゼがありますが、通常はDNAを鋳型とするポリメラーゼをDNAポリメラーゼといいます。

合成中のDNA鎖の3’末端に鋳型と相補的なデオキシリボヌクレオシド三リン酸を付加して、DNA鎖を5’から3’方向に伸長します。

真核生物では、5種類のDNAポリメラーゼが知られています。

その中でDNAポリメラーゼγが関わっているのがミトコンドリアのDNA複製であると言われています。

また、POP(Plant and Protist Organellar DNA Polymerase)もミトコンドリアDNAの複製に関わっていることがわかっています。

>>つくば生物ジャーナル(2019)18,85

しかし、真核生物の一部でしか研究されていなかったこともあり、どの生物群にどのポリメラーゼが使われているのか、他にもポリメラーゼがあるのではないか、などの疑問が残っている状態だったのです。

今回の研究成果の内容は

今回は、ミトコンドリアDNAを複製する新たなDNAポリメラーゼの発見が主な結果です。

このDNAポリメラーゼにはrdxPolAという名前がつけられています。

さらに、様々な真核生物におけるDNAポリメラーゼの確認から、真核生物が進化してきた流れのなかで、DNAポリメラーゼがどのように進化してきたのかについての予想を行っています。

今回発見されたrdxPolAはミトコンドリアの祖先であるαプロテオバクテリアが持っていたDNAポリメラーゼから進化したものである可能性が高いことが示されました。

今回の研究成果が、ミトコンドリアのDNA複製方法の進化を深堀りするきっかけになることが十分に考えられます。

京都大学の神川先生や筑波大学の稲垣先生の研究室を目指すことで、ミトコンドリアのDNAポリメラーゼに関する研究に触れることができるかもしれませんね!

まとめ

今回は、ミトコンドリアという生物基礎でも出てくる細胞小器官についての話題を取り上げました。

教科書に出てくる細胞小器官であってもまだまだわかっていないことが多くあることを知っていただければと思います。

DNAの複製は細胞分裂の基本です。

その複製を担うDNAポリメラーゼであってもまだまだ新しい発見があることに驚きと期待を指定増しますね。

ご興味のある方は、ぜひこの研究を行っている先生の研究室がある大学をまずは目指してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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