(2-26)生体防御2(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「生体防御」について、解説しました。

物理的・化学的防御や自然免疫、適応免疫といった防御機構が揃って体を守ってることを理解できましたでしょうか。

自己と非自己をしっかりと見分け、対応してくれているからこそ、体は守られていることを認識しましょう。

また、白血球の種類についてもぜひ復習してください。

今回は、物理的・化学的防御について、掘り下げてみましょう。

それではご覧ください。

物理的・化学的防御

生体防御のうち、物理的・化学的防御の働きは、病原体の体内への侵入を防ぐことでした。

その名の通り、物理的に通れなくしたり、化学反応で対象を変性させたりします。

病原体の体内への侵入を防ぐ第一の防御機構なのです。

具体的な方法をチェックしていきましょう。

物理的防御

・皮膚の角質層

物理的に通れなくする代表例です。

皮膚の表面にある角質層は病原体などの侵入を防ぐ防御機構になっています。

角質層自体はケラチンを含む死細胞でできています。

しかし、病原体の侵入を防いでおり、さらに体内の水分損失(蒸発)を防ぐ役割も担っています。

擦れば「アカ」として目に見える形で剥がれ落ちますが、これは防御機構を薄くする行為なので、注意が必要です。

・気管粘膜や消化管粘膜

口から肛門までの消化管と呼ばれる通路は、体内ではなく外の空気と触れる体外であると考えることができます。

また、消化管と繋がっている気管も空気を取り入れる体外と考えることができます。

これらには表面に粘膜があり、粘液を分泌して病原体などの付着を防いでいます。

しかし、乾燥などにより性能がおちると病原体の付着リスクがあがるため、感染症になりやすくなってしまいます。

・気管の絨毛運動

気管には絨毛上皮と呼ばれる部位があります。

これは動きがあるのですが、動きの方向としては異物を体外に送り出す方向へと向います。

そのため、この動き(絨毛運動という)によって、病原体などは体外へと運ばれてきます。

・呼吸器症状

咳やくしゃみ、鼻水、痰といった症状をかぜ症候群を患ったときに感じた方も多いでしょう。

これらは、体内から異物を排除するために起こっている防御反応です。

症状がひどいとつらいため、抑えたくなると思いますが、体としては守るために仕事をしているからこそ出てくる症状であると覚えておいてください。

化学的防御

化学的防御というのは、化学反応を利用した防御方法です。

・皮膚の酸性度

皮膚の表面は弱酸性に保たれています。

弱酸性とはpH3~5程度のことです。

この酸性度が多くの病原体にとって繁殖しづらいため、防御機構として成り立っています。

・酵素反応

リゾチームという酵素が涙や汗、唾液に含まれています。

この酵素は細菌の細胞壁を破壊することができるため、殺菌が可能です。

目や口といった細菌が侵入しやすい部位にしっかりと防御機構が設置されていることがわかります。

・タンパク質

皮膚や涙に含まれるディフェンシンというタンパク質が存在します。

このタンパク質も細菌の細胞膜を破壊して殺菌することが可能です。

・胃酸

胃酸の構成成分には塩酸が含まれます。

pH1~2程度の強酸性の液体ですので、食物を摂取する際に胃内へと侵入した病原体を殺滅する効果があります。

その他の防御

物理的・化学的防御とは少し異なるかもしれませんが、生体には他にも防御機構があります。

皮膚常在菌や腸内細菌による防御機構です。

皮膚常在菌の存在によって、皮膚では病原体が定着しにくい状態が維持されています。

たとえば、表皮ブドウ球菌は汗や皮脂を餌として、グリセリンや脂肪酸を生成します。

脂肪酸は皮膚を弱酸性に維持するのに役立っています。

>>その他の皮膚常在菌の働き

また、腸内細菌も腸内への病原体の定着をしにくい状態を維持してくれています。

腸内細菌は乳酸などの物質を生成することで、腸内環境を弱酸性にして、病原体が居づらい環境を作ってくれています。

このように、共生している細菌群は弱酸性の環境を生成する役割があり、間接的な化学的防御機構の一部と考えることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「生体防御2」と題したものでした。

物理的・化学的な生体防御について理解できましたでしょうか。

自身の体には体内への病原体の感染リスクを下げるための防御機構が数多くあることを忘れてはなりません。

まずは、見える部位で何がおきているか把握していきましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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