(1-21)スクロース(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「葉緑体」について解説しました。

葉緑体では、光エネルギーを利用して、水を分解して水素を得て酸素を排出することや二酸化炭素を利用して炭素鎖の長い炭水化物を作るといった化学反応が行われていました。

その反応もチラコイド膜とストロマで役割が別れていました。

特にストロマで行われていた有機物合成はカルビン・ベンソン回路と呼ばれ、各工程にそれぞれ酵素があり、効率的に二酸化炭素から炭素を引き抜いて有機物に繋げていました。

今回は、カルビン・ベンソン回路で作られた有機物が葉で同化デンプンになることや、細胞質で同化デンプンからスクロースが作られ、植物体内に広がっていく過程について解説していきたいと思います。

それではご覧ください。

スクロースとは

スクロースとは、α-グルコースとβフルクトースが脱水縮合した構造を持つ糖類のことです。

α-グルコースは1位の-OH基が縮合に使われ、β-フルクトースは2位の-OHが縮合に使われます。

また、β-フルクトースは五員環構造といって、5つの元素が結合して、環状(輪っか)の構造となっています。

ちなみに、α-グルコースは六員環構造です。

脱水縮合によるスクロースの形成

1位のOHや2位のOHというのは、炭素鎖の炭素に番号が振られていて、それによって場所を認識できるようにしていることからきています。

グルコースは赤丸で囲ったOHがくっついている炭素に1番が振られていて、フルクトースの場合は赤丸で囲ったOHがくっついている炭素は2番で、その下にあるCH2OHの炭素が1番です。

赤丸で囲まれているグルコースのOHとフルクトースのOHが脱水縮合します。

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同化デンプンとは

同化デンプンとは、葉緑体の中で合成されたデンプンのことを指します。

葉で合成した物質は同化産物と呼ばれるため、デンプンの場合は同化デンプンと呼ばれます。

一時的に同化デンプンとして貯蔵された有機物は、細胞質でスクロースに変換され、体内の別の組織へと運ばれます。

この時、スクロースは茎などにある師部中の師管を通して運搬されます。(転流と言います。)

スクロース自体は、ミトコンドリアで行われる呼吸で消費されたり、根や茎・葉を始めとした植物を構成する物質の合成に利用されたりします。

同化デンプンが一時的に作られる理由として、葉で作られるグルコースの量が大量になったときに、浸透圧の上昇が大きく、植物にとって悪影響があるためと考えられています。

グルコースを結合して同化デンプンを作成することで、浸透圧の上昇を押さえ、作成したエネルギーも貯蔵することができるため、植物に備わった能力であると考えられます。

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貯蔵デンプンとは

貯蔵デンプンとは、種子や肥大した根、茎などの中に蓄えられたデンプンを指します。

スクロースが貯蔵組織の細胞に到達すると、アミロプラストというデンプンを形成する能力をもつ色素体内で、再びデンプンに合成され貯蔵されます。

ちなみに、アミロプラストの周囲は他の色素体と同じく内外2枚の包膜で囲まれていて,その内部容積のほとんどはデンプン粒で占められているようです。

>>デンプンの利用と活用

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デンプンの利用

デンプンは様々なところで利用されています。

例えば、甘味料を作成するときに利用されるデンプンは全需要の65%程度を占めていると言われています。

また、かまばこやちくわなどの練り製品、ソーセージやハムなどの畜産加工品、菓子類など様々なものが挙げられます。

使用されるデンプンは馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプンなど様々です。

自分たちの身近にある食べ物に使われている澱粉をすこし意識してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「スクロース」に関するものでした。

また、スクロースから合成されるデンプンにも焦点を当てました。

光合成によってできる有機物は一時的に同化デンプンとなり、細胞質でスクロースへと変換され、植物内を移動して使われます。

使われずに余ったスクロースは根や種子などで再度デンプンに変換され、貯蔵デンプンとして保存されます。

我々の食べ物には、貯蔵デンプンが含まれる馬鈴薯などから抽出したデンプンがよく使われています。

ぜひ覚えてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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