こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「分子の極性」と題して解説をいたしました。
元素の電気陰性度や分子の構造からおきる分子の極性について学んだと思います。
電気陰性度だけで考えてしまうと失敗しますので、注意してください。
さて、今回は同位体についてです。
今まで陽子の数が変わる場合と電子の数が変わる場合をやりましたね。
陽子数が変わると原子番号代わり、電子数が変わるとイオンになりました。
中性子の数が変わるとどうなるのでしょうか。
それではご覧ください。
同位体とは
皆さんは、福島にある原子力発電所のニュースは見たことがありますか?
見たことが無ければ見てみると良いと思います。
そこに同位体の話題があるからです。
トリチウムと呼ばれる物質です。
実は水素なんですね。
正確には三重水素と言います。
中性子が水素よりも2個多い原子です。
それでは水素の同位体を表で表してみましょう。
このように、同じ水素でも中性子の数によって原子の重さが異なりますが、化学的な性質はほとんど同じです。
中性子が増えていくので、質量数が増えていっていることも覚えておきましょう。
もちろん他の元素にも同位体がありますので、少し紹介したいと思います。
例えば炭素(C)は年代測定で使用されることがあります。
ウラン(U)は原子力発電の時に使用されます。
モリブデン(Mo)は医療において、検査のために使用されています。
窒素(N)は地球の環境の測定に使用されています。
同位体は実社会でもよく利用されているため、とても重要なものです。
ほかにもいろいろと使われているものがありますので、時間があるときに調べてみましょう。
ラジオアイソトープ
化学基礎を少し逸脱しますが、ラジオアイソトープという言葉があります。
アイソトープとは同位体のことです。
同位体の中でも放射能を持つ原子(放射線を出して壊れている原子)と考えれば良いでしょう。
さきほどでてきたトリチウムもラジオアイソトープの仲間です。
福島の原発のことを考えると怖いなとか危ないなあといった感想になってしまうと思いますが、実社会に役立つものもありますので、紹介していきたいと思います。
まずは、先程もでてきた炭素です。
14Cが放射性同位体です。
半減期(数が半分になる時間)が5700年とわかっていますので、物質に含まれる14Cを測ることで作られた年代が測定できます。
これは放射線炭素年代測定法と呼ばれ、生物由来の物質の年代を推定する重要な方法です。
通常の生物では、食事を摂取することによって14Cを体内に摂取していきますので、13Cと14Cが自然界と同様の比率になるはずですが、過去の物質の場合は新たな14Cの供給はありませんので、5700年で量が半分になるため、そこからどの程度の年月が経ったのかを推定することができるというわけです。
次に235Uです。
天然にあるウランの中の0.72%しかありません。
しかし、これを利用した原子力発電によって、電気エネルギーの恩恵をみなさんは受けています。
実際に利用されるときには、ウラン濃縮を行って3~5%の状態にするようです。
また、238Uも利用されます。
通常は非常に安定で、半減期(量が半分になる時間)が44.68億年あります。
一方で、中性子捕獲反応によってプルトニウム239Puが生まれます。
239Puも原子力発電で利用されます。
さらにテクネチウムが医療分野で使用されています。
99mTcは核医学検査で使用され、がん検査などで用いられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「同位体」と題したものでした。
同位体自体はそれほど難しいものではありません。
化学基礎の分野では、中性子の数が多い原子があるのだなということをまずは理解できればよいと思います。
できれば、水素や炭素の同位体についてはどのような分野で話題になるかを知っておくと良いと思います。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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