(1-3)化学結合って多くない?(化学基礎)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回の記事では、「元素の周期表は必要?」と題して解説をいたしました。

元素周期表は必要でしたね。

やはり、先人の智恵が作り上げた表はとても有用です。

一つの表からわかることがたくさんありました。

復習する時には、周期表をみながら全て思い出せるかどうかを確認する方法が良いでしょう。

今回は、化学結合について解説します。

イオン結合やら共有結合やら、たくさん種類があって困りますね。

何かに注目してまとめられればいいのですが。

それではご覧ください。

イオン結合

陽イオンと陰イオンが静電気的な引力で結びつく結合のことです。

なお、静電気的な引力のことはクーロン力といいます。

貴ガス元素は除きますが、元素の周期表から陽イオンになりやすい性質(陽性)の原子と陰イオンになりやすい性質(陰性)の原子がわかります。

周期表の左下の元素ほど陽性が強く、右上の元素ほど陰性が強いのです。

また、2個以上の原子が共有結合してできる原子団もイオン化され、多原子イオンと呼ばれ、イオン結合をします。

ちなみに、1個の原子からなるイオンは単原子イオンです。

基本的なイオン化

原子がイオンになる時は、安定な貴ガスの電子配置になるように電子を失ったり、受け取ったりします。

例えば、ナトリウムNaは電子配置が、K2,L8,M1です。

ナトリウムイオンとなるには、M1の電子を失うことが1番安定的です。

そのため、Na+となります。

また、塩素Clは電子配置がK2,L8,M7です。

塩素イオン(クロライドイオン)となるには、M7の電子を全て失うよりも、電子を1つ得てM8になった方が圧倒的に簡単です。

そのため、Clとなります。

電子配置は元素の周期表があるだけで導き出せるので、20番目までの元素は順番に覚えておきましょう。

基礎化学で使用する元素は20番目までの元素のうち、1族、2族、16族、17族になると思いますので、この範囲に含まれる11個の元素は絶対に覚えましょう。

多原子イオン

単原子のイオン化とはことなり、多原子イオンの場合は原子団全体で電子が過剰、もしくは不足した状態になっていることでイオン化しています。

出てくる多原子イオンはほぼ決まっていますので、それを覚えると良いでしょう。

NH4+:アンモニウムイオン
OH:水酸化物イオン
NO3:硝酸イオン
SO42-:硫酸イオン
CO32-:炭酸イオン
CN:シアン化物イオン

これらは、次の項目で説明する共有結合でもととなる分子ができています。

たとえばアンモニウムイオンでは、アンモニアがあり、水素イオンが配位結合している形になっています。

そして、アンモニウムイオン全体としては陽イオンとして振る舞います。

また、水酸化物イオンはO-Hの結合は共有結合となっていて、電子を一つ余分に持っている状態のため、全体としては陰イオンとして振る舞っています。

後ほど出てくる電子式で書いてみると理解しやすくなりますので、電子式を学んだあとにもう一度みてみましょう。

共有結合

非金属元素の原子どうしが結合する時の結合方式のこと。

価電子を互いに共有して、それぞれの原子は安定な貴ガスの電子配置になります。

電子式で記載してみるとわかりやすいので、まずは電子式についてご説明いたします。

電子式

共有結合で使用する価電子をわかりやすく表示した式です。

価電子は、原子が反応や結合をする時に関わる電子のことでしたね。

原子番号20までの元素が出てくることがほとんどです。

いくつか例を出してみたいと思います。

1つめは水素です。

水素は最外殻電子(K殻)が1つですので、価電子は1つです。

そのため、Hの周りには点が1つになります。

2つめはフッ素です。

フッ素は最外殻電子(L殻)が7つですので、価電子は7つです。

3つめは窒素です。

窒素は最外殻電子(L殻)が5つですので、価電子は5つです。

なんとなくわかりましたか?

まとめの表を入れておきたいと思います。

それでは、実際に電子式を書いてみたいと思います。

水素原子とフッ素元素の共有結合の電子式は次の通りになります。

不対電子が存在するのがわかるでしょうか?

これが共有結合で重要な部分です。

不対電子をそれぞれの元素から提供して共有し、共有電子対をつくることができるためです。

水素側は最外殻がK殻なので、共有電子対によってK殻が埋まりヘリウムと同じ電子配置となり、安定な状態になります。

また、フッ素側もL殻が埋まるため、安定化します。

このように互いに安定な状態になるため、結合しやすい組み合わせになります。

なお、共有されていない電子対は非共有電子対と呼ばれます。

共有結合の例

それでは、電子式を使いながら共有結合をみていきましょう。

①水

水素と酸素の共有結合によって水ができているという電子式ですね。

酸素の価電子が6個ですので、水素との共有電子対が2つできて、安定化していますね。

②硫化水素

水素と硫黄(いおう)が共有結合した分子です。

硫黄は酸素と同じ16族元素ですので価電子が6個です。

そのため、水の時と同様に水素2つとそれぞれ共有結合しています。

③酸素

二つの酸素原子が共有結合した分子です。

酸素は価電子が6個でしたね。

不対電子がそれぞれ2個あるので、それを使用して共有結合します。

④窒素

二つの窒素原子が共有結合した分子です。

窒素は価電子が5個です。

お互いに3つの電子を共有結合に提供すれば、安定な状態になります。

酸素分子のときもそうでしたが、窒素原子同士の間に電子がたくさん記載されています。

原子同士の間にある電子はすべて共有していると考えてください。

⑤アンモニア

水素と窒素の共有結合によって出来上がっている分子です。

窒素は価電子が5個ですので、不対電子が3個あります。

そのため、不対電子1つずつにそれぞれ水素が結合することで、窒素は電子が8個になり、水素は2個になって安定になっています。

いかがでしたでしょうか。

電子式の書き方や共有結合している分子の電子配置がなんとなくわかれば良いと思います。

配位結合

分子やイオンを構成する原子の非共有電子対を、他の分子やイオンに提供して作る共有結合を配位結合といいます。

例えば、オキソニウムイオン(H3O+)というものがあります。

オキソニウムイオンは水分子中の酸素原子の持つ非共有電子対を水素イオン(電子が0)に提供して共有結合をしています。

電子式をみてみましょう。

全体としては電子が足りないので、原子団としては陽イオンになります。

また、配位結合後にはH-Oの結合が3本できますが、どの結合が配位結合なのかは区別できず、全て同等の結合になります。

一方、金属元素であっても配位結合は起こります。

銅や銀などに、非共有電子対を持つ分子や陰イオンが配位結合してできたイオンは錯イオンと呼ばれます。

配位結合した分子や陰イオンは配位子と呼ばれます。

金属結合

金属原子間の結合が金属結合です。

この際、価電子は特定の原子にとどまらず、結合している金属原子間を自由に動き回ります。

そのため、金属元素の原子は価電子を失って陽イオンになりやすいという特徴があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「化学結合って多くない?」と題したものでした。

イオン結合や共有結合などたくさん種類があって困りましたね。

それぞれ特徴が違うので、仕方がないですね。

しかし、結合には電子が関わっているという共通の特徴がありましたね。

電子の数が、ちょうど良くなる組み合わせで結合するのが基本なので、意識しながら式を書いてみましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

その他

>>分子の表し方が載っている古い文献

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