こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「原子について学ぼう」と題して解説をいたしました。
原子が原子核と電子から構成されていることや、原子核が中性子と陽子から構成されていることを確認しました。
また、電子が存在する場所を示すものとして、電子殻という考え方があることも学びました。
これからは、元素という言葉も出て来ます。
原子と元素の違いをしっかりと理解してもらえるよう、今回は元素の周期表に注目して記事を書きたいと思います。
それではご覧ください。
元素の周期表
周期表とは、元素を原子番号順に並べ、性質の似た元素同士を同じ縦の列に並べた表のことです。
縦の列を族、横の列を周期と呼びます。
同じ族に属する元素を同族元素といいます。
さらに、金属元素と非金属元素に分類されます。
金属元素の特徴として、単体では金属光沢を持ち、熱や電気をよく導くというものがあります。
それでは、周期表を見てみましょう。
このようにたくさんの元素が発見されており、113番にはニホニウムという名前の日本のグループが発見した元素も存在しています。
それでは、縦の列や横の列で特別なグループ名をもつ元素たちがいますので、紹介していきたいと思います。
周期表内での名称
1.アルカリ金属
水素Hを除く1族元素を指しています。
常温で水と激しく反応する金属で、その水酸化物が強アルカリ性を示します。
2.アルカリ土類金属
BeやMgを除く2族元素のことですが、含めることもあります。
自然界に酸化物として多く存在しており、熱に強く水に溶け難い性質を持ち、この性質を発見当時の化学者は土類(earth)と名付けていました。
これらの酸化物は元素だと長年考えられており、水に溶けてアルカリ性を示すためアルカリ土類と呼ばれていました。
その後、金属の酸化物であることが判明したため、アルカリ土類金属と呼ばれるようになりました。
3.ハロゲン
17族元素です。
ハロゲンの名は「塩(えん)を作るもの」という意味であり、一般的なハロゲン化物が金属元素と塩を形成することに由来します。
4.貴ガス(希ガス)
18族元素を指しています。
以前は希ガスと教科書に記載されていましたが、英語名はnoble gasであるため、貴ガスのほうが適当だろうということになりました。
また、1族、2族、12~18族を典型元素、3~11族を遷移元素と呼びます。
典型元素は価電子の数が等しく、化学的性質もよく似ています。
それに対して、遷移元素は最外殻電子の数がほとんど1または2のため、隣り合う元素同士で性質が似ています。
元素の周期律
ここまで読んでいただけると周期表があるだけで元素の特徴ごとのまとめが簡単に把握できることがわかると思います。
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度といった内容についても周期表で大まかに把握することが可能です。
しかし、これらの項目は個別に表した方がわかりやすい場合がありますので、今回はそれぞれを図にして説明しておきたいと思います。
これらは価電子の数に影響を受けますので、原子番号20までの元素を代表例としてみていきましょう。
イオン化エネルギー
原子から電子を取り去り、陽イオンにするときに吸収されるエネルギーのことです。
取り去る電子が1個の時に、第一イオン化エネルギーと呼ばれます。
2個の時は第二となりますが、高校では出て来ません。
下の図がイオン化エネルギーをグラフにしたものです。
He(ヘリウム)のイオン化エネルギーが1番大きいことが図からわかります。
言い換えると、Heが陽イオンになる時に必要なエネルギーが1番多いということになりますので、Heは1番陽イオンになりにくい元素であるということがわかります。
反対に、イオン化エネルギーが少なければ、陽イオンになりやすい元素であることも理解できます。
なぜ、イオン化エネルギーのグラフは上がったり下がったりするのでしょうか。
この答えは、最外殻電子の数によって説明することができます。
元素の電子配置が安定した状態というのは、貴ガス元素と同じ電子配置になったときです。
つまり、最外殻電子が、K殻なら2個、L殻やM殻であれば8個の場合です。
第一族は最外殻電子が一つなので、電子が一つなくなって陽イオンになると非常に安定します。
反対に、貴ガス元素はすでに安定な状態です。
貴ガス元素を陽イオン化するには不安定な状態に移行させる必要があるため、非常にエネルギーが必要です。
電子配置が安定かどうかで判断することが可能です。
電子親和力
原子が電子を一つ受け取り、1価の陰イオンになる時に放出するエネルギーのことです。
次の図が電子親和力を表したグラフです。
最初に覚えておきたいことが2点あります。
一つ目は、HeやNe、Arなどの貴ガス元素は、電子親和力がとても低いということです。
簡単には陰イオン化することはありません。
二つ目は、FやClのようなハロゲンは電子親和力がとても高いということです。
ハロゲンは電子を一つもらうことで、貴ガス元素と同様の原始配置になるため、とても安定になりますので、その分エネルギーをたくさん放出するのです。
なお、エネルギーが放出されるという点について、疑問に思う方もいるかと思います。
これについては、原子が安定な状態を知っておく必要があります。
原子の安定化というのは、エネルギーの低い状態に移行するということです。
余剰のエネルギーを外に出すことで、落ち着きます。
電子を受け取った後の状態が安定な状態がどのようになっているのか。
安定な状態とは、貴ガス元素の状態で、最外殻が安定している状態(元素の番号20番までなら、K殻の場合2個、L殻やM殻の場合には8個)のことです。
つまり、電子親和力も最外殻電子の数で説明することができます。
電気陰性度
原子が共有電子対を引き寄せる強さを表した数値です。
それではグラフにしてみましょう。
特徴的な部分は、貴ガス元素の表示がないことです。
少なくとも20番目の元素に含まれる貴ガス元素は、最外殻の電子がとても安定した状態にあります。
共有電子対を追加してしまうと、急激に不安定な状態になってしまいます。
そのため、電子陰性度が存在しないと考えて差し支えありません。
電子陰性度についても、最外殻の電子数で説明がつきます。
最外殻電子の数とグラフを見比べてみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「元素の周期表は必要?」と題したものでした。
結論としては、「必要です。」という回答になりますが、必要性を知っていただけましたでしょうか?
今回紹介したイオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度は全て最外殻電子の数で説明することができました。
そして、元素の周期表では最外殻電子をすぐに把握することが可能です。
元素の性質を一つの表で表すことができるということは非常に有用です。
元素の周期表の利用方法を学んでいってください。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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