(3-9)物質循環(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「物質収支」について、解説しました。

消費者に関連する純生産量と総生産量、生産者に関連する生産量と同化量について最初にしっかりと確認してください。

余裕があれば生産した有機物が成長に使われたのか、被食されたのかなど、細かい分類について学ぶことも大事です。

式を暗記するのではなく、理解して式が書けるようになることが重要です。

今回は物質の循環について学びましょう。

特に、炭素や窒素などの物質がどのように変化して行くのかが重要です。

それではご覧ください。

炭素循環

炭素は生物の構成元素として重要です。

炭素の多くは海洋に存在していますが、大気中に0.03〜0.04%程度の割合で存在する二酸化炭素に注目しましょう。

なお、海水に溶けている二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素濃度の調節役となっているため、大気中の二酸化炭素濃度は一定に保たれています。

二酸化炭素として空気中に存在している炭素は、植物による光合成や細菌類による化学合成によって有機物として固定されます。

有機物として固定された炭素は、呼吸や燃焼によってエネルギーを取り出す過程で分解され、二酸化炭素に戻ります。

他にも、化石燃料の消費による二酸化炭素の放出や火山ガスに含まれる二酸化炭素の放出があります。

このように炭素は生態系内を循環しています。

窒素循環

窒素は、アミノ酸やタンパク質、DNA、RNA、クロロフィルなどの生物を構成する物質に含まれている元素です。

窒素の循環には2通りあり、大気中と有機物の間を循環する場合と無機物と有機物の間を循環する場合があります。

細菌や植物が窒素の有機物への固定に関わっており、動物は植物が合成した有機窒素化合物を取り入れています。

大気中の窒素の固定

窒素は大気中の80%程度を占めています。

アゾトバクター・クロストリジウム(窒素固定細菌)やネンジュモなどの一部のシアノバクテリア、根粒菌といった原核生物によって、大気中の窒素はアンモニウムイオンとして固定されます。

これを窒素固定と呼びます。

残念ながら、大部分の生物は大気中の窒素を直接利用することは出来ません。

土壌中のアンモニウムイオンを亜硝酸イオンを経由して硝酸イオンへと変えていきます。

これは、硝化菌(亜硝酸菌や硝酸菌の総称)が関与しています。

硝酸イオンになると植物が利用しやすくなります。

生物間の窒素移動(同化)

食物連鎖によって移動する栄養素には、有機窒素化合物も含まれています。

それぞれの生物は、取り込んだ有機窒素化合物を利用して窒素同化を行います。

植物では、硝酸イオンなどの形で取り込んだ無機窒素化合物をもとにして、アミノ酸を合成し、さらにタンパク質や核酸を合成します。

動物では、植物が合成した有機窒素化合物を、直接的あるいは間接的に取り入れて、利用します。

その他の窒素の固定

窒素の固定には、雷の空中放電によるものや、ヒトによる工業的な固定が存在します。

ヒトによる工業的な固定では、大気中の窒素を固定して、化学肥料を作成しています。

近年では、ヒトによる窒素固定量は著しく増加していることが特徴です。

脱窒

窒素を無機化合物や有機化合物にする経路を確認しましたが、無機化合物や有機化合物から窒素へと変化する反対方向の経路も存在します。

生物が枯死体や遺体となったり、排出物を出したりした場合は、分解者が関与します。

分解者によって、有機窒素化合物は土壌中でアンモニウムイオンとなります。

アンモニウムイオンは、硝化菌によって、亜硝酸イオンや硝酸イオンになります。

亜硝酸イオンや硝酸イオンは、土壌中に存在している脱窒素細菌によって脱窒され、窒素として大気中に放出されます。

このようにして、窒素は大気中から固定され、また大気中へともどりますし、生物間の移動も行われます。

また、土壌と生物の間でも移動することになります。

>>炭素循環と窒素循環の違い

エネルギーの移動

太陽からの光エネルギーは、生物に大きな影響を与えています。

まず、植物の行う光合成によって、光エネルギーは有機物中の化学エネルギーへと転換されます。

さらに、呼吸(分解)によって化学エネルギーが熱エネルギーに変化して、大気中へと放出されます。

このようにして、エネルギーは一方向へと流れるため、循環しません。

生物間でのエネルギー移動

具体的に生物間でのエネルギー移動について確認してみましょう。

有機物中のエネルギーは化学エネルギーとなります。

有機物が生物間を移動していきますので、化学エネルギーが生物感を移動していくこととなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「物質循環」と題したものでした。

物質循環のなかで大きな割合をしめているのが、炭素循環と窒素循環です。

光合成による炭素の固定や、窒素固定細菌による窒素の固定があります。

また、固定されるだけでなく、大気中に放出されることもあります。

炭素や窒素がどのように固定され、大気中にもどるのかについて学んでおくとよいでしょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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