こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「植生の遷移」について、解説しました。
土壌がない状態から植生が遷移していく場合と、土壌がすでにある状態から植生が遷移していく場合がありました。
極相といわれる陰樹林の状態が植生の遷移の最終場面ですが、伐採などによる影響を受けると植生に変化がおきます。
先駆種や極相種にみられる傾向も知っておくとよいでしょう。
今回はバイオームについて解説して行きたいと思います。
まずは世界のバイオームです。
バイオームの基礎から確認していきましょう。
それではご覧ください。
バイオームとは
主として気候によって分けられた生態系に含まれる生物の集団のことをバイオームと呼びます。
生物群系と書かれることもあります。
気候によって分けられるのですが、気候によてその地域で成立できる植生が異なるため、植物群落の外から見てわかる植生の様子である相観によって分類されることもあります。
年平均気温と年降水量を縦軸と横軸にした図で表されます。
森林
森林のバイオームが成立するには、年間降水量が多い必要があります。
一般的には年間降水量が1000mm以上です。
気候によって大きく変わってきます。
①熱帯~亜熱帯
赤道付近の熱帯では熱帯多雨林、熱帯よりもやや気温の低い亜熱帯では亜熱帯多雨林となります。
どちらも1年を通じて温暖かつ湿潤で生育不良期はありません。
そのため、常緑広葉樹が優占します。
②亜熱帯(雨季乾季あり)
亜熱帯の中でも、明らかに雨季と乾季がある地域の場合、乾季に生育不良になります。
そのため、乾季に落葉する落葉広葉樹からなる雨緑樹林となります。
③暖温帯
暖温帯では、常緑広葉樹から構成される森林となります。
照葉樹林と呼ばれます。
④暖温帯(冬に湿潤かつ、夏に乾燥)
乾燥に耐性のある常緑の小さな硬い葉をつける広葉樹林となります。
クチクラと呼ばれる、植物の表面に光沢を与えている疎水性の膜が発達して耐乾性を持ちます。
⑤冷温帯
冬にやや寒冷な冷温帯では、生育に不適な冬に落葉する樹木で構成されます。
落葉広葉樹から構成された夏緑樹林となります。
⑥亜寒帯
寒冷な地域で冬に葉を落とすと、短い夏だけに有機物を生産しても収支として見合わないことになります。
そのため、耐寒性のある常緑の針のように細い葉をつける常緑針葉樹から構成される針葉樹林となります。
草原
草原のバイオームが成立するには、年間の降水量が200~1000mm程度は必要です。
年間の降水量が少なくやや乾燥する地域ということになります。
①熱帯~亜熱帯
樹木がまばらに生育します。
イネ科の仲間が中心となって生え、サバンナとなります。
②温帯~亜寒帯
イネ科やカヤツリグサ科のなかまた主体の草原となります。
ステップと呼ばれます。
荒原
荒原のバイオームが成立するには、極端に少ない年間降水量や極端に低い年間平均気温である必要があります。
①熱帯~亜熱帯
極端な乾燥地帯で、高い耐乾性をもつ植物が点在します。
砂漠と呼ばれます。
②寒帯
極端な寒冷地対で、地衣類や苔植物などが生育します。
ツンドラと呼ばれます。
気温・降水量との関係
気温とバイオームの関係について、降水量が十分あると仮定してチェックしてみましょう。
気温だけを変化させていくと、高温の地域から低温の地域に順に、熱帯多雨林、照葉樹林、夏緑樹林、針葉樹林、ツンドラとバイオームが変化していきます。
反対に気温が十分高いと仮定して、降水量とバイオームの関係について見てみましょう。
降水量だけを変化させると、湿潤な地域から乾燥している地域の順に、熱帯多雨林、雨緑樹林、サバンナ、砂漠のようにバイオームが変化します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「バイオーム1」と題したものでした。
気温や降水量によって変化していくことがわかりましたね。
植生が変わりますので、森林や草原、荒原のようにまずは分けて、その中で気候を元にしてわけていくと分類できるのではないでしょうか。
年間降水量と年間平均気温を軸とした図にバイオームを書き入れる練習をしましょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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