(2-6)脊椎動物の血管系(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「弁の働き」について、解説をいたしました。

弁の働き(役割)は血液の逆流を防ぐことでした。

この逆流を防ぐという働きによって、血液を全身へと送り出すことができるということがわかったかと思います。

他にも弁の開閉のタイミングや左心房・左心室の内圧の話などをしっかりと覚えておきましょう。

今回は、脊椎動物の血管系を見ていきたいと思います。

ヒト以外では心房や心室の数に異なる点があるため、覚えるのが大変かもしれません。

それではご覧ください。

2心房2心室

最初はヒトと同じである、2心房2心室の脊椎動物を見ていきましょう。

基本的には哺乳類や鳥類がこの2心房2心室です。

ヒトと同じと考えてよいでしょう。

これまでに解説してきた通り、肺循環と体循環が完全に分離しています。

そのため、2心室必要となっています。

酸素や二酸化炭素の運搬効率がほかよりも高いと言われています。

2心房1心室

次に、心室の数が一つ減った2心房1心室の動物です。

両生類や爬虫類が該当しています。

1心室のため、全身から帰ってきた静脈血が、肺から戻ってきた動脈血と心室内で混ざります。

両生類

1つの心室で、血液を送り出しています。

その時に肺にも、全身にも送り出します。

肺と全身とでは血管が異なりますので、心室には2つの出口があることになります。

また、静脈血が全身から戻って来る入口と、肺動脈から心室に戻ってきた血液の入口の2つがあることになります。

特に仕切りもなにもないので、心室内で血液は混ざり合ってしまい、全身へと酸素を送り出すという点で考えると効率は悪そうです。

爬虫類

両生類と基本的には同じ形をしています。

しかし、心室内に仕切りが中途半端にあるため、肺から戻ってきた酸素が潤沢な動脈血と全身から戻ってきた静脈血の混ざり具合は、両生類よりも少ないと思われます。

そのため、全身に酸素濃度の高い血液を送りやすくなっているものと推察されています。

1心房1心室

最後に、魚類を示したいと思います。

魚類は1心房1心室です。

心室から押し出された血液はエラを通り、ガス交換(二酸化炭素をだして、酸素を取り込むこと)をした後に、全身循環にそのまま入っていきます。

体の各組織を通ったあとに、心房へともどってきて、そのまま心室に送られ、またエラへと送り出されます。

このことから、魚類では体循環と肺循環という概念(または区別)はありません。

蛇足ですが、魚類には動球部と呼ばれる心臓流出路があります。

これは、古代魚にはない部分で、心筋が平滑筋に変化しており、血液循環を洗練させ、水中環境に適応するように進化したのではないかと言われています。

ちなみに、どのようにして心筋を平滑筋に変化させているかについては、東大が研究により明らかにしています。

>>心筋を平滑筋へと変化させる遺伝子の発見

無脊椎動物の血管系(番外編)

今回の主題からは外れますが、無脊椎動物の血管系でも閉鎖血管系である動物がいます。

環形動物です。

つまり、ミミズやゴカイです。

ミミズやゴカイの血管系は心臓→動脈→毛細血管→静脈→心臓と循環しているのです。

環形動物型循環系という言葉もあり、閉鎖血管系のうち環形動物と紐形動物にみられる血管系をさしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「脊椎動物の血管系」と題したものでした。

今回紹介した動物では、心房が1つの場合と2つの場合があり、さらに心室が1つの生物と2つの生物がいました。

心室の数が生物の種類によって異なることをしっかりと覚えましょう。

さらに、両生類と爬虫類では、心室内の構造が異なっていることも解説しました。

こういった微妙に異なる点については、狙い目ですので、しっかり覚えたほうが良いでしょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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