(2-3)循環系(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「血液凝固」について、解説をいたしました。

血管に傷がついて、出血したときに、傷口を塞ぐために必要な防御反応でしたね。

血小板が重要で、凝固因子の放出や血餅の生成に関係していました。

また、治ったあとには線溶がおきるということも説明しました。

今回は、血液などの液体が体を巡る際に使用される言葉について学んでいきましょう。

それではご覧ください。

循環系とは

脊椎動物の場合、血管系とリンパ系が循環系を構成する要素になっています。

循環系とは、血液やリンパを全身に循環させる器官の集まりのことです。

全身の循環を体循環心臓から肺に向かって心臓に戻る循環を肺循環と呼びます。

>>体循環、肺循環についての解説(製薬会社のHP)

余談かもしれませんが、「系」という言葉についても、深堀りしておきたいと思います。

系とは、「生物学で、ある機能に関する器官であることを表す語」です。

つまり、今回は脊椎動物、代表例としてヒト、の血液やリンパ液を全身に循環させている器官の集まりについて考えていこうという話になります。

それでは、循環系を構成している、血管系とリンパ系について、みていきましょう。

血液系

血液系とは、血液を全身に循環させる器官の集まりのことです。

ヒトの血管系は、閉鎖血管系と呼ばれています。

脊椎動物やミミズのような環形動物、一部の軟体動物(タコやイカ)は動脈と静脈が毛細血管でつながっています。

そのため、血液が血管の外(各組織)に出ることはありません。

そこで血管系のまえに、「閉鎖」とつけて、血管外に血液がでないことを示しています。

反対に、毛細血管がなく、動脈と静脈がつながっていない場合には、血管外に血液が出て、細胞の間を通ります。

この場合は、「開放」とつけて、開放血管系と呼びます。

開放血管系の生物は、軟体動物(貝の仲間)や節足動物(昆虫やエビなど)が代表例です。

特徴としては、閉鎖血管系のほうが、生物の体が大型化しても末端まで効率的に血液を循環できることが挙げられます。

ここで、血管(動脈、静脈、毛細血管)について、まとめておきたいと思います。

動脈

心臓から出る血液が通る血管を動脈と呼びます。

動脈は心臓から送り出された血液による圧(血圧)を支える必要があるため、厚い筋肉の壁を有しています。

心臓から出る血液が通る血管が2種類あることにも注目する必要があります。

1つ目は心臓の右心室から送り出される場合で、肺動脈を通ります。

この際、肺動脈を流れる血液は全身の静脈を通って心臓に戻ってきた血液(静脈血)であることに注意が必要です。

静脈血のため、動脈血に比べて酸素濃度が低く、二酸化炭素濃度が多くなっています。

2つ目は心臓の左心室から送り出される場合で、全身に向かう大動脈を通ります。

この場合は、肺静脈を通って心臓に戻ってきている血液なので、酸素濃度が回復しており、二酸化炭素濃度が下がっている動脈血になっています。

静脈

心臓に戻る血液が通る血管を静脈と呼びます。

血流の逆流を防ぐために弁が備わっています。

肺静脈を通って心臓に戻ってきた血液は動脈血全身を巡っている大静脈を通ってきた血液は静脈血なので、注意が必要です。

余談ですが、消化管組織を通って大静脈へ向かう血管は、肝臓に立ち寄ります。

消化管組織から肝臓へ向かう間の血管を肝門脈と呼びます。

肝門脈(もしくは門脈)は、消化管組織からでてきた血液が含まれていますので、静脈血が流れています。

毛細血管

動脈と静脈をつなぐ血管のことです。

1層の内皮細胞で出来上がっています。

毛細血管で、酸素や二酸化炭素のやり取り、他の物質のやり取りを行います。

かなり細い血管で、赤血球よりも細いのですが、酸素を運ぶためなのか、赤血球は形を変えて入り込んでいくことができます。

リンパ系

リンパ系とは、リンパ液を全身に循環させる器官の集まりです。

末梢の組織にある組織液が毛細リンパ管に入り込みリンパ液になります。

鎖骨下静脈のところで、血液に合流することになります。

リンパ管は、血管に比べて透過性が高く、大きな分子や病原体なのも入り込めるようになっており、病原体に対しては除去や貪食をする方向に働きます。(リンパ球が含まれています。)

弁もついており、逆流もしません。

さらに、小腸で吸収された脂肪分はリンパ液に入って運ばれていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「循環系」と題したものでした。

覚える言葉がたくさんありましたね。

血管や動脈、静脈などは聞いたことがある言葉ですので、覚えやすいかもしれませんが、中を流れている血液が動脈血なのか静脈血なのかをしっかりと覚える必要がありそうです。

酸素濃度に注目することで、動脈血と静脈血を見分けることができるのではないでしょうか。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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