(2-27)自然免疫(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「生体防御2」について、解説しました。

物理的・化学的防御の種類を知ることができましたでしょうか。

皮膚などの見える部位から、胃の内部のようなところまで、細かく防御機構が張り巡らされていました。

皮膚常在菌や腸内細菌も防御機構に間接的に関わっていることから、共生がとても大事であることを知ることもできたと思います。

しかし、これらの防御機構を病原体が突破してしまうこともあります。

そこで、体内に侵入された際に、最初に対応する自然免疫について解説していきたいと思います。

それではご覧ください。

自然免疫

免疫反応のなかで、体内に病原体が入ってきたときに白血球が対応します。

これを自然免疫といいます。

自然免疫が働くということは、残念ながら物理的・化学的防御機構が破られ、病原体に侵入を許したということになります。

白血球は異物に対する特異性が低いため、ほとんどすべての異物に対して広範に作用します。

すべての白血球が持つわけではありませんが、食作用など異物を取り除く作用を持っています。

自然免疫が持つ作用について見ていきましょう。

食作用

病原体などの異物を、食細胞が取り込むことを食作用といいます。

貪食やファゴサイトーシスと呼ばれることもあります。

すべての白血球に備わっているわけではなく、好中球、好酸球、単球、マクロファージ、未熟樹状細胞だけが持っています。

食細胞体内のリソソームで異物が分解され、その欠片が抗原として提示されることで、適応免疫(獲得免疫)へと繋がっていき、より一層の防御機構が発動します。

似たものに、飲作用(ピノサイトーシス)やエンドサイトーシスがありますが、これはすべての細胞に備わったもので、異なる作用ですので、間違えないようにしましょう。

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感染細胞等の排除

ナチュラルキラー細胞という細胞があります。

通称、NK細胞です。

この細胞はとても攻撃力が強く、感染細胞やがん細胞を発見し、攻撃することができます。

感染細胞やがん細胞も元々は「自己」なのですが、感染したり、がん化すると細胞表面にわずかに違いがでてきます。

NK細胞はこの違いをしっかりと確認し、攻撃することができます。

そして、細胞ごと破壊することによって、不要な細胞を排除します。

ちなみに、攻撃方法としては、細胞表面に孔をあけたり、細胞を死に追いやる酵素を使ったりと結構怖い存在です。

NK細胞が「自己」と「非自己」しっかり見分けれなかったらとてもまずい自体に陥ってしまいますね。

炎症反応

マクロファージや樹状細胞が食作用によって病原体を取り込んだ後におきる現象です。

病原体を取り込んだ後、細胞内で分解しますが、その際に助けを呼ぶ必要性があると判断して、毛細血管を拡張します。

これは、血液中にいる白血球を細菌感染している現場に移動しやすくするためです。

血管には小さな孔があいていますが、血管が拡張するとその孔が大きくなるため、白血球が通りやすくなるのです。

さらに、感染部位周囲に熱を発生させます。

これは、白血球がより働ける温度に上げるという理由に加えて、病原体が活動しにくくなるように温度を上げるという理由があります。

感染がひどければ体温を上昇させて対応します。

これが「発熱」という状況になります。

コオロギ

食作用は昆虫のような無脊椎動物にも備わっています。

コオロギにおける食作用を観察するという実験があります。

実際に実験を行う際にはコオロギの命をいただくことになるので、真剣に行いましょう。

実験自体は難しくなく、墨汁をコオロギに注入して、墨汁を異物を判断したコオロギの白血球が、墨汁を食作用で取り込むことを顕微鏡で確認します。

手順を示します。

・コオロギに、墨汁を注射器で注入して、24時間程度置く。

・後ろ脚を取り除き、切断面をスライドガラスにこすりつけてプレパラートを作成する

・光学顕微鏡で墨汁を取り込んだ食細胞を観察する。

といったものです。

この実験によって食細胞が異物を取り込むということがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「自然免疫」と題したものでした。

好中球やマクロファージなどによる食作用がとても大事であることを理解できましたでしょうか。

食作用の結果、感染部位周囲に炎症を引き起こして、白血球の移動を助け、働きを強くして、病原体の働きを弱めます。

全身の体温上昇もその延長でおきるということを覚えておいてください。

さらに、NK細胞は特別な攻撃力がありますので、感染細胞やがん細胞を見つけた場合には「非自己」であると認識して、細胞を破壊してくれる大切な細胞であることを認識しましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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