こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「フィードバック調節」について、解説しました。
体の恒常性を維持するために、ホルモンが分泌される量に制限をかけたり、足りないときには出るようにしたりと、フィードバック機構はとても重要でした。
負のフィードバックと呼ばれますので、何がおきるのかをしっかりと確認しておくことが重要です。
この記事では、血糖濃度の調節について解説します。
多少の増減はありますが、血液中の糖の濃度がヒトでは一定に維持されています。
これも恒常性の一つの例です。
これまでに解説したホルモンも出てきますので、合わせご紹介していきますね。
それではご覧ください。
目次
血糖とは
血糖とは、血液中に含まれるグルコースのことを指しています。
血糖濃度といわれたら、血中グルコース濃度のことを示しています。
健康な方では、血糖濃度は0.1%です。
血漿1L中にグルコースが1g含まれているという状態です。
ちなみに、0.1%の計算は、血漿1L=1000mLで、密度が水と同じとすると、血漿1Lは1000gになり、1000gの溶液(血漿)中に1gの溶媒(グルコース)が溶けていると考えれば良いと思います。
1/1000✕100=0.1ですね。
血糖は、体内では栄養源になるため、とても重要なものです。
そのため、さまざまなホルモンによって制御されています。
まず、細胞にグルコースを届けるためにインスリンが存在しています。
また、血糖が足りなくなると体の維持に支障が出るため、血糖濃度を上げるために、アドレナリン、グルカゴン、糖質コルチコイドといった3つのホルモンが存在しています。
ホルモンの数からみても、体にとっては低血糖をどうにかして避けないといけないということがわかると思います。
血糖値を下げるホルモン
膵臓のランゲルハンス島B細胞からでるインスリンというホルモンが血糖値を下げます。
体の細胞にグルコースを押し込みグリコーゲン作成を後押しする役目があるためです。
筋細胞ではよくグルコースが消費されますし、肝細胞でグリコーゲンが作られ貯蔵されることもよく知られています。
インスリンも負のフィードバックを受けます。
血糖値が下がりすぎると、膵臓のランゲルハンス島や視床下部に対して、負のフィードバックがかかり、インスリン分泌が抑制されます。
血糖値の低下が危険なラインに達する前に体の中では対処しています。
血糖値を上げるホルモン
3種類のホルモンが血糖値を上げるために用意されています。
アドレナリン、グルカゴン、糖質コルチコイドです。
それぞれ異なる方法で血糖値を上昇させますので、一つずつ見ていきましょう。
アドレナリン
まずはアドレナリンです。
低血糖時にアドレナリンが放出されるまでの伝達経路を確認しましょう。
視床下部で低血糖が感知されます。
交感神経を介して、副腎髄質が刺激されます。
副腎髄質からアドレナリンが分泌され、肝臓に届きます。
肝臓では、肝細胞でグリコーゲンが分解されるため、血糖値が上昇します。
このように、ホルモンを介して情報伝達が行われ、血糖値の上昇につなげています。
グルカゴン
次にグルカゴンの働きを見てみましょう。
低血糖の感知は視床下部で行うため、アドレナリンと同じです。
同様に交感神経を介して膵臓のランゲルハンス島A細胞を刺激します。
加えて、ランゲルハンス島A細胞自体も低血糖を検知することが可能です。
ランゲルハンス島A細胞ではグルカゴンを分泌しますので、グルカゴンによって肝細胞に情報が伝わり、グリコーゲンの分解が促進されます。
糖質コルチコイド
最後に糖質コルチコイドをみてみましょう。
低血糖の感知は視床下部で行われるのは同様です。
しかし、視床下部から脳下垂体前葉に刺激が伝わり、副腎皮質刺激ホルモンがでます。
副腎皮質では刺激ホルモンの影響で、糖質コルチコイドを分泌しますので、糖質コルチコイドの影響をうけた組織でタンパク質がグルコースに変換されます。
通常の血糖低下時には、基本的にはグリコーゲンを分解することが優先されるため、タンパク質(アミノ酸)からグルコースを作成する場合は緊急時(飢餓状態など)ということになります。
糖尿病
病気として糖尿病というものがあります。
血糖値を下げるしくみが正常に働かないために、血糖値が高い状態で維持されやすい状態にある疾病です。
血糖値が高いため、原尿中にだされたグルコースが再吸収しきれないため、尿中に排泄されてしまいます。
そのため、糖尿病と名付けられています。
長期間に分かった血糖値が高い状態が続く場合、血管にダメージを受けるため、目や腎臓などにも影響が出てきてしまいます。
糖尿病の分類
糖尿病には原因によって2つの型があります。
1つ目は、膵臓のランゲルハンス島B細胞に先天的もしくは後天的に異常があり、インスリン分泌量が少なく又はまったくでなくなり、高血糖となる場合です。
Ⅰ型糖尿病と呼ばれます。
この場合は、インスリンを注射などで体に補充してあげることで、血糖コントロールを行うことが可能です。
2つ目は、Ⅱ型糖尿病です。
インスリンは出ていることが多いですが、高血糖により膵臓がインスリンをだすために頑張りすぎてしまう傾向にあります。
また、肥満などによりインスリンの効きが悪く(インスリン感受性が低くなるといいます)、インスリンが出ていても細胞内にインスリンを移動させられず、血糖値が下がりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「血糖調節」と題したものでした。
糖と書かれていますが、グルコースのことでしたね。
血液の中のグルコースは0.1%程度で維持されています。
そのために4種類のホルモンが働いていました。
それぞれが血糖を上げるのか下げるのか、どのように作用を発揮するのかが大事です。
また、血糖がかかわる疾病として糖尿病がありました。
糖尿病がどのような疾患であるかを理解できるとよいでしょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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