こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「内分秘腺」について、解説しました。
内分秘腺から分泌されるホルモンは血流にのって全身へと移動して、特定の組織・器官にだけはたらくという特異的な作用を持っていました。
また、水溶性や脂溶性といった特性によって、細胞表面の受容体に結合したり、細胞内に入り込んでから受容体に作用したりといった違いが出ていました。
今回は、内分泌腺の種類とそれぞれの内分秘腺から分泌されるホルモンを関連付けて解説したいと思います。
それではご覧ください。
目次
内分秘腺とホルモンのまとめ(表)
まずは表で内分秘腺とホルモンの関連付けを行いましょう。
このように、内分秘腺はたくさんあり、脳だけでなく、体の様々な部位に及んでいます。
効果も様々です。
タンパク質の合成といった作用から、血糖調節、水やイオンの調節など体の恒常性に必要な作用を担っています。
それでは、内分秘腺ごとにそれぞれ見ていきましょう。
視床下部(間脳)
体の各部位に内分秘腺がありますが、その部位に分泌をするように指示をだすためのホルモンが脳下垂体から分泌されます。
この脳下垂体、特に前葉に対して、ホルモンを分泌するように指示をしたり、止めるように指示をしたりするホルモンがあります。
それが、視床下部から出されるホルモンです。
「放出ホルモン」や「放出抑制ホルモン」と呼ばれています。
また、視床下部にある、ホルモンを分泌する神経細胞は神経分泌細胞と呼ばれます。
さらに神経分泌細胞からのホルモンの分泌は神経分泌と呼びます。
神経分泌されたホルモンが血流にのって脳下垂体の前葉に運ばれたり、神経分泌細胞自体が長い突起を持っており、脳下垂体後葉まで繋がっていて、脳下垂体でホルモンを貯蔵したり、分泌したりしている場合があります。
代表例はバソプレシンです。
バソプレシンの作用は脳下垂体のところで記述したいと思います。
脳下垂体
間脳には下垂体と呼ばれる部位があります。
脳下垂体とも呼ばれています。
視床下部からのホルモンによる指示によって、下垂体前葉から体の各部位へとホルモンを送り、体の各部位からのホルモンの分泌を制御します。
前葉から出るホルモンは成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンがあります。
成長ホルモンは、タンパク質合成の促進が主な働きです。
人の成長に関わりますので、その名前がついています。
甲状腺刺激ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンは、名前に「刺激」とある通り、それぞれの臓器を刺激して、それぞれの臓器からのホルモンの分泌を促進する働きがあります。
「刺激」とついているときは、体に何か作用を表すのではなくて、ツナギのホルモンであると思えばよいと思います。
また、下垂体には後葉もあり、腎臓へと作用させるホルモンを出す働きがあります。
名前をバソプレシンといいます。
抗利尿ホルモンと呼ばれます。
腎臓の集合管で水の再吸収を促進させます。
さらに血管の収縮促進作用があるため、血圧上昇の作用を併せ持っています。
甲状腺
甲状腺ホルモンという名前がついていますが、成分の名前としてはチロキシンです。
先程の脳下垂体から甲状腺刺激ホルモンがでて、甲状腺を刺激すると、分泌が促進されます。
体の代謝に関わるホルモンのため、チロキシンが分泌されると代謝が促進し、成長や分化が促進されます。
カエルなどの両生類では、変態を促進することも分かっています。
オタマジャクシからカエルになるときには必須なんですね。
副甲状腺
甲状腺の付近には副甲状腺という名前の別の器官があります。
ここから出るホルモンはパラトルモンと呼ばれています。
血液中のカルシウムイオン濃度を上昇させる働きがあります。
ちなみにカルシウムイオンはCa2+と書きます。
2価のイオンなんですね。
副腎
副腎にはもっと細かい分類があります。
副腎髄質と副腎皮質です。
それぞれを分けて見ていきましょう。
副腎髄質
みなさんが聞いたことがあるホルモンが分泌されています。
アドレナリンです。
交感神経のはたらきを促進しますので、副腎髄質からアドレナリンが分泌されると心臓拍動の増加や血圧上昇を伴います。
アドレナリンは脳内ではほとんど分泌されないので、注意が必要です。
また、グリコーゲンの分解を促進します。
そのため、血糖濃度が上昇します。
交感神経がはたらく時は、戦ったり、逃げたりと体を大きく動かく場合が多いと思いますので、エネルギー源を増やすために体内で行われている反応と思われます。
副腎皮質
次は副腎皮質です。
副腎の中で髄質とは異なる場所にあります。
ステロイドと呼ばれるホルモンが作られます。
ちなみに、ステロイドの別名は副腎皮質ホルモンです。
実はステロイドには大きく分けると2種類あります。
1つ目は糖質コルチコイドです。
タンパク質からの糖の生成促進を行いますので、血糖が上昇します。
2つ目は鉱質コルチコイドです。
腎臓の集合管付近でナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排出を促進します。
また、組織への水の吸収促進も行っています。
膵臓
最後に膵臓です。
インスリンが有名ですが、グルカゴンというホルモンも存在しています。
膵臓にはA細胞(α[アルファ]細胞)やB細胞(β[ベータ]細胞)、D細胞(δ[デルタ]細胞)があります。
今回はA細胞とB細胞の話になります。
インスリンはB細胞から分泌されます。
血液中の糖(血糖)を筋肉などの細胞内に押し込み、細胞中での糖の分解の促進作用を持つため、血糖値が下がります。
また、糖からのグリコーゲンの合成促進作用があるため、これによっても血糖が減少します。
次にグルカゴンです。
A細胞から分泌されます。
作用はインスリンと反対で、グリコーゲンの分解促進作用です。
血糖が足りなくなった際に、グリコーゲンから糖を作る過程を助けますので、血糖濃度の上昇が見られす。
このようにして、血糖値の恒常性を維持するために膵臓のホルモンは働いています。
ちなみに、インスリンの分泌が少なかったり、分泌できない方は糖尿病と判断される場合があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「腺とホルモン」と題したものでした。
内分秘腺の種類はたくさんありました。
また、それぞれの内分秘腺からでるホルモンもそれぞれ異なっていました。
関連付けて覚えられるようにするとよいでしょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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