こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「体液」について、解説をいたしました。
自分たちの体にある、血液や組織液などの体液について学びましたね。
血液には赤血球などの成分が含まれていることも知ることができました。
体液の役割などをしっかりと覚えておきましょう。
さて、今回は血液に含まれる血小板の働きについてみていきましょう。
みなさんは怪我をしたときにカサブタができたのを覚えていますか?
どのようにして傷口が塞がれ、修復していくのかが今回の記事でわかるのではないでしょうか。
それではご覧ください。
目次
血液凝固とは
血管に傷がつくと、出血による失血を防ぐために血液は凝固して傷口をふさぎますよね。
実際には血管に傷がついているところを見ることはできないと思いますが、出血という減少で想像できると思います。
擦り傷や切り傷などによる出血が一般的ではないでしょうか。
これは、生物がもっている防御反応の一つです。
出血が続いてしまうと、失血により命に危険が及ぶためです。
そのため、血管を塞ぐために行われている機構があり、それは血液凝固と呼んでいます。
つまり、血液凝固とは出血箇所を防ぐためにおきる生体成分による防御反応のこと、と考えることができます。
それでは実際に何が起きているかを一つずつ見ていきましょう。
血液凝固の仕組み
例として、擦り傷などにより、血管に傷がついて出血している場面を想定してみましょう。
記憶にある怪我したときの流れは次のようではないでしょうか。
最初に出血して、出てくる血が止まったかなと思ったときには粘度が上がっていて、それがだんだん乾いてかさぶたになっていくというものです。
それぞれの工程で起きていることがありますので、それをみていきましょう。
>>血が止まる仕組み
血小板の集結
血管に傷がつき、出血する状態になっていると、血液中に含まれるある成分が血管の傷口に集まってきます。
それが血小板です。
血小板はある役目をもって集まってきます。
かさぶたの材料というだけではないのですよ。
凝固因子が働く
血小板から凝固因子が放出されます。
また、血漿中にある別の凝固因子も働きます。
これらの凝固因子が、プロトロンビンをトロンビンに変換します。
トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリンに変換します。
このフィブリンがとても重要な役割を担っています。
フィブリンが血球を絡め取る
傷口に集まってきていた血小板の周辺にフィブリンが生成されます。
フィブリンは繊維状タンパク質です。
あくまでイメージですが、大きく穴の空いた血管に、とても大きな網をかぶせたような状態と考えてもいいかもしれません。
このフィブリンに血球(白血球や赤血球など)が絡まっていき、傷口に蓋ができます。
このようなフィブリンと血球が絡まってできたものを血餅(けっぺい)といいます。
血餅の溶解
血管が修復されたあとは、代わりに塞いでいた血餅がいらなくなります。
そのため、血餅は溶解して取り除かれます。
これを線溶(せんよう)といいます。
線溶は繊溶(せんよう)やフィブリン溶解と呼ばれることもあります。
こうして、血管の修復が終了します。
臨床応用
ここからは余談です。
今回の話題となった血餅は、出来上がりが大きくなってしまうと、血管を塞いでしまうことがあります。
血管内壁にアテロームというものができていた場合、それがなにかのきっかけで破綻することがあります。
その際にも破れたところを修復するために血小板が大活躍します。
しかし、傷が大きいと血餅も大きくなり、血流を阻害するようになります。
また、心臓の動きが悪くなると心臓内部でも血餅が出来上がってしまうことがあります。
これが、血流にのって脳につながっている血管に入り込んだ場合、先の方の細くなっているところでつまります。(脳梗塞ですね。)
このような場合には血栓という言い方をします。
血栓ができてすぐであれば、線溶系を刺激する薬が使えて、血栓を溶解できる可能性があります。
また、血栓がそもそもできないようにするための薬剤もあります。
それらは、凝固因子に対して働くことで、フィブリノーゲンからフィブリンが生成されることを減らすので、血餅ができにくくなります。
そのため、不整脈があり、心臓内で血餅ができやすくなる方の場合は、予防で内服することがあるのです。
以上、余談でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「血液凝固」と題したものでした。
血小板からでる凝固因子の話や凝固因子によって作られるフィブリンの話がとても重要ですね。
また、傷口を塞いでいる血餅は、修復後に取り除かれますが、それを線溶と呼ぶことも覚えておくとよいでしょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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