こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「塩類濃度調節」について、解説しました。
海の動物を中心でしたね。
生息する場所の塩類濃度によって、無脊椎動物や硬骨魚類の体液にどのような影響があるのかを知ることができたと思います。
同時に、体液の塩類濃度を維持するためにどのような能力があるのかもわかりました。
今回は、計算問題として出てくることがある原尿量の求め方を中心に解説していきます。
それではご覧ください。
原尿量の求め方
計算問題の1つ目は「1分間に生成される原尿量を求めましょう。」というものです。
このときに最初にやることは、問題文から必要な情報をまとめておくことです。
そして、それを使って計算していきます。
基本的には、本文中と図表に必要なものが含まれていると思います。
表の確認
こちらの表を使用してみましょう。
数字は覚える必要はありません。
問題文によって数字が少しずつ変わります。
これはデータのもとにしている資料が異なるために、数値が少しずつずれるためです。
大事なのはイヌリンです。
これはイヌリンが糸球体でろ過されて原尿中に含まれた後、ほとんど再吸収されないためです。
つまり、ろ過後に減らないという性質が大事なのです。
同様の物質として、マンニトールやクレアチニンが使用されることもあります。
イヌリン、マンニトール、クレアチニンのどれかが表にないかを確認する!
そして数値から、血漿中の濃度と原尿中の濃度が一緒であることを確認します。
これが必要になるのが後半なので、必要になる理由は後から出てきます。
今は必要になるんだぁと思っておきましょう。
問題文の確認1
表に記載のある物質について、条件が記載されているはずです。
今回は、イヌリンが表に載っていましたので、次のような記載があるはずです。
「イヌリンは、すべて糸球体でろ過され、細尿管では分解も再吸収もされない。」
先程書いた通り、イヌリンが今回の計算で大事である理由ですね。
一定の時間で、
ろ過する血漿中のイヌリン量=ろ過後の原尿中のイヌリン量=尿中のイヌリン量
この式が成り立つことがわかります。
問題文の確認2
「尿は毎分1mL生成される」
このような記載も基本的にはあると思います。
この文章から、次のように考えます。
1分間に尿が1mL生成するんだから、今回の話はぜんぶ1分間の話で統一すればいい!
そして、余分なことを考えなくていいように注釈がつきます。
「血漿、原尿、および尿の密度は1g/mLとする。」
つまり、「水溶液の重さは気にしなくていいから、計算してね。」ということになります。
この文章がないと、血漿1mLあたりに含まれる水分量など考えることが増えてしまうので、簡略化するための言葉になっています。
実際に計算してみましょう。
まずは分かっていることを確認しましょう。
1. 「1分間に生成される現尿量(mL)」を知りたい。
2. 1分間に生成される原尿量中のイヌリン量は、1分間に生成される尿量中のイヌリン量と同じだが、数値は不明。
3. 1分間に生成される尿量は1mL
4. 表から原尿中のイヌリン濃度と尿中のイヌリン濃度は数値でわかる
これらを使用して、計算できるものを考えてみましょう。
今回の表では、尿中のイヌリン濃度は3%になっています。
また、原尿中のイヌリン濃度は0.025%になっています。
濃度と尿量がわかれば、イヌリン量がわかりますので、
尿中のイヌリン量
= 1分間の尿量 ✕ 尿中イヌリン濃度 = 1分間の原尿量 ✕ 原尿中イヌリン濃度
実際に数字を入れてみましょう。
1mL ✕ 3%(3/100) = 1分間の原尿量 ✕ 0.025% (0.025/100)
x%の数値は100分のxと表記して計算すればよいので、あとは移項したり、全体に同じ数字をかけたりすればよいですね。
たとえば、3=1分間の原尿量 ✕0.025 という途中式になって、
1分間の原尿量 = 3/0.025 =120 (mL)
といった計算ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「原尿量の計算」と題したものでした。
原尿量を求めるという計算問題の場合、直接すぐに求めることはできないことが多いと思います。
そこで、イヌリンなどの量に換算して、計算をすることで答えが導かれます。
1つ変換ができるかどうかというところが、差がつくところなので、何度も解き直してほしいところです。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
コメント