(2-14)塩類濃度調節(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「再吸収」について、解説しました。

バソプレシンと鉱質コルチコイドというホルモンが出てきたことは覚えていますでしょうか。

これらのホルモンによって、水だけを再吸収するのか、Naイオンも一緒に再吸収といった違いが出てきましたね。

体液塩類濃度の変化とともに、どちらのホルモンが分泌されるのかを覚えておくとよいでしょう。

今回は塩類濃度調節についてみていきましょう。

ヒトの話だけではなく、水の中の生物の状態についても考えてみましょう。

環境がかわるので、違いが出てきますよ。

それではご覧ください。

無脊椎動物(カニ)

まずは海水生無脊椎動物をみていきましょう。

代表例はカニです。

カニの体液の塩類濃度調節図

この図にあるように、ミドリガニ、ケアシガニ、モクズガニをそれぞれ見ていきたいと思います。

まずは、図の説明ですが、外界の塩類濃度の1.0のところ(赤の縦の点線)を海水の塩類濃度として、作ってあります。

今回のカニの背景情報ですが、ミドリガニは河口付近で生活し、ケアシガニは外洋、モクズガニは海洋と河川を行き来します。

それでは図とカニをセットでみて考えていきましょう。

まずはミドリガニです。

河口付近で生活しているため、多少の塩類濃度の上昇であれば体液の塩類濃度があまり上がらないようにするための能力があるようです。

しかし、海水の塩類濃度に近くなっていくとミドリガニが持つ体液の塩類濃度の調節のための能力では追いつかなくなり、外界の塩類濃度の上昇にともなって体液の塩類濃度も上昇してしまっています。

最後には、体液の塩類濃度が高くなりすぎて、死亡してしまいます。

次に、ケアシガニです。

外洋で暮らすケアシガニは、外界の塩類濃度が海水の塩類濃度のラインから離れると死亡してしまいます。

体液の塩類濃度は外界の塩類濃度に影響をうけて、上がったり下がったりしますので、ほとんど調節ができていません。

最後に、モクズガニです。

モクズガニは海洋と河川の両方で生活することができます。

これは、海水の塩類濃度のラインよりも外界の塩類濃度が低ければ、体液の塩類濃度を外界よりも高くし、外界の塩類濃度が高ければ、体液の塩類濃度を外界よりも低くするという能力を持っているためです。

このため、生命維持が可能な体液の塩類濃度の範囲で調節をすることができており、調節能力がとても高いと言えます。

図の見方

図の見方を再確認しておきたいと思います。

カニの体液の塩類濃度調節図

たとえば、ケアシガニでは、このグラフの縦軸をxとヨコ軸をyとしたときに、y=xの線になっています。

これは、体液の塩類濃度の調節能力が低いことを示しています。

外界の塩類濃度に影響されて、なんの調節もなく体液の塩類濃度が変化しているからです。

反対に、ミドリガニやモクズガニでは、海水の塩類濃度付近を除けばy<xとなっています。

体液の塩類濃度の調節能力が高いために、外界の塩類濃度の変化にくらべて、変化量が少なくなっているということです。

硬骨魚類

ここからは、魚類について見ていきたいと思います。

淡水魚(淡水生硬骨魚類)や海水魚(海水生硬骨魚類)は住んでいる場所は異なりますが、体液の塩類濃度は海水の塩類濃度の1/3程度で調節されています。

そのため、塩類濃度が1%前後程度の外液であれば、淡水魚も海水魚も生息することが可能です。

調節には、えらや排尿が関係しています。

それでは、淡水魚と海水魚の調節の特徴をそれぞれみていきましょう。

淡水魚

淡水魚の例をあげてみましょう。

コイ、フナ、ナマズ、メダカ、ドジョウ、アユ、ウナギ、ヤマメ、タナゴ、ブラックバスなどなど。

>>淡水魚の例

川や池、湖に生息している魚類ですね。

淡水という言葉も確認しておきましょう。

塩分濃度の低い水を包括的に呼ぶと淡水となりますので、川や池、湖は当てはまりますね。

それでは、淡水魚はどのようにして、体液塩類濃度を調節しているのでしょうか。

そもそも、淡水魚は低い塩類濃度の外液中に生息していますので、水が体内に流入しやすい状態です。

つまり、体液塩類濃度が低くなりやすい状態です。

そこで、「水はのまない」、「エラや腸から塩類を吸収する」、「尿は体液よりも塩類濃度が低く大量」という特徴があります。

体液よりも外液の方が塩類濃度が低いので、取り入れる水をへらし、取り入れる塩類が多くなればよのです。

「水をのまない」や「体液よりも塩類濃度が低い尿が大量に出る」ということから、体内から水を減らす方向へと力が働いていることがわかります。

そして、エラや腸から塩類を吸収して濃度を上げています。

海水魚

海水魚の例を上げてみましょう。

マグロやタイ、ヒラメなどサメ類やエイ類を除いた魚類です。

マンボウは骨が少ないですが硬骨魚類です。

面白いですね。

さて、海水魚は塩類濃度の高い外液中に生息していますので、環境としては水が体外に流出しやすい状態です。

そのため、体液塩類濃度が高くなりやすいといえます。

そこで、「口から海水を飲み、消化管で水を吸収する」、「エラから塩類を排出する」、「尿の塩類濃度が体液と等しく、少量である」という特徴があります。

淡水魚とは反対で、水を体内にれて、塩類を排出するための力が働いていることがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「塩類濃度調節」と題したものでした。

無脊椎動物や硬骨魚類のん類濃度調節について解説しました。

生息している場所の塩類濃度によって影響を受けるため、様々な調節を行っていました。

特に魚類のエラや排尿は水や塩類の調節に重要でした。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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