(2-11)尿生成のしくみ(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「腎臓の構造」について、解説しました。

腎臓の構造は把握できましたでしょうか。

約100万個あるネフロンやろ過現場である糸球体など重要な部位がたくさんありました。

今回は、糸球体で作られる原尿から尿がどのように作られるかについて、見ていきましょう。

それではご覧ください。

糸球体のはたらき

ろ過を行う部位は糸球体と呼ばれるところです。

血圧によって、糸球体を流れる血液の血漿成分はろ過されます。

ろ過ですので、大きな成分は血中に残ったままとなり、小さな分子がボーマン嚢へと濾しだされます。

この濾しだされた水溶液を原尿とよんでおり、ここから再吸収や分泌をうけて、尿が生成します。

細尿管・集合管のはたらき

原尿は血液中の液体や小さな分子がろ過されていますので、体に必要なグルコースなども出てきてしまっています。

そこで、細尿管や集合管が重要になってきます。

細尿管や集合管には、水や無機塩類、グルコースを中心に体に必要と判断されたものを再度毛細血管に戻す働きがあります。

この働きを再吸収と呼びます。

これにより、不要な物質の濃度を上げて、水分と一緒に排泄します。

排泄される水溶液を尿と呼んでいます。

蛇足ではありますが、体内で作られる尿は無菌(細菌などがいない状態)です。

図解

手書きで申し訳ないのですが、図を使って解説をしてみたいと思います。

>>見やすい図の例

作ったのは、糸球体に血液が流れ込んで、ろ過により原尿が生成し、その後再吸収や分泌をうけて、尿が出来上がるという流れの図です。

まず、ろ過が糸球体で行われますが、タンパク質や血球は大きすぎてろ過ができないので、そのまま血流にのって静脈へと向かいます。

ろ過では、水に溶けるものは基本的にでてきますので、体に必要なものも一緒にでてくることになります。

そのため、原尿には、体に必要なグルコースや無機塩類も排出されます。

細尿管や集合管では水、グルコース、無機塩類などが再び体にだされ、またろ過できなかった老廃物が原尿中へと分泌されます。

水や無機塩類はすべて回収するのが難しいですが、グルコースはほとんどが回収(再吸収)できると考えて良いと思います。

それだけ体に必要と判断されているということですね。

水も99%は再吸収されますので、とても大事なものです。

図を自作させていただきましたが、なかなかフリーハンドで書くと難しかったです。

みなさんも自分で書けるように練習すると、その間に勝手に覚えることができのではないでしょうか。

チャレンジしてみてください。

含まれる物質の比較

尿の中に不要な物質が濃く含まれているということを数字で見ていきましょう。

「血漿が糸球体でろ過されて、原尿ができて、細尿管や集合管で濃縮され尿となる」という流れを思い出してください。

血漿中の物質と尿中の物質を比較すると、尿素が67倍、イヌリンが120倍に濃縮されていることがわかります。

このように、尿素やイヌリンのような再吸収されにくい物質は濃縮率が高くなる傾向にあります。

一方で、Na+(ナトリウムイオン)のような再吸収されやすい物質では濃縮率は低くなります。

さらに、ろ過されないタンパク質は基本的に尿中に含まれませんし、栄養として必要とされるグルコースは基本的には全量が再吸収されますので、尿中には含まれません。

ちなみに、「基本的には」と書いたのは、病気の場合には尿中にタンパク質がでたり、グルコースが出たりしますので、絶対に無いとは言えなかったために記載しました。

テストでは、特に条件が書いてなければ、タンパク質は原尿から濃度=0、グルコースは尿になると濃度=0ですので、間違えないでください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「尿生成のしくみ」と題したものでした。

糸球体や細尿管、集合管の働きを理解できましたでしょうか。

手書きの図を乗せましたが、ぜひ皆さんも自分で書けるようになると理解が進むと思います。

また、血漿や原尿、尿の中に含まれる物質の濃度の変化も覚えて置けるとよいでしょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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