(1-7)ウイルスは生物か?(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「DNAの抽出」についての記事を公開しました。

今回の記事では、ウイルスについて考えてみたいと思います。

風邪を引いたときに、「ウイルス感染ですね」とか言われたことはありますか?

細菌では新型コロナウイルスが流行したりもしました。

インフルエンザウイルスも毎年聞く言葉ですね。

そんなウイルスですが、生物なのでしょうか?

それとも生物ではないのでしょうか?

過去の記事に書いたように、生物の条件がありますので、それを当てはめつつ、考えてみましょう。

それでは、ご覧ください!

ウイルスとは

ウイルスは、細菌の50分の1程度の大きさで、自分で細胞を持っていません。

DNAやRNAといった遺伝子と呼ばれる、複製に必要な情報を持っていますが、単独では増殖できません。

増殖するには、他の細胞に入り込んで、自分の複製を作る必要があります。

>>理化学研究所のウイルスの説明はこちら(外部リンクです)

また、遺伝子を囲むカプシドと呼ばれるタンパク質の殻があります。

場合によっては、エンベロープと呼ばれる脂質二重膜とタンパク質で作られた囲いが一番外側にあります。

このウイルスが生物なのか、非生物なのかについて、未だ確定していないというのが現状です。

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生物の定義

ある物体を生物と言えるようにするためには、生物はこうだという定義がなければいけません。

大きく3つの事柄が最低でも満たされていなければならないとされることが多いです。

1.外界と膜で仕切られている

2.代謝を行う

3.自己複製する

また、他にも恒常性がある、変化に対応する、進化するなどの定義を含める場合があります。

現在では、これら全てを満たす場合に、生物と定義していることが多いと思います。

生物の定義とされているものを、ウイルスが満たしているのかどうかが大事な部分になると思います。

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ウイルスは定義を満たすのか?

定義について、一つずつ満たしていくかを考えてみたいと思います。

まずは、「外界と膜で仕切られている」という点についてです。

カプシドというタンパク質の殻とかエンベロープという脂質二重膜&タンパク質の囲いがあるため、場合によっては、外界と仕切られた空間に遺伝子がいるようにも見えます。

グレーゾーンですね。

次に、「代謝を行う」です。

これについては、自力では行えていないということになります。

カプシドやエンベロープの内側でエネルギー代謝を行っているという話はいまのところ無いはずです。

最後に、「自己複製をする」です。

自力では不可能です。

しかし、生物の細胞の中に入り込んで複製を行うことは可能です。

これを自己複製と呼んで良いのかどうなのか?

難しいところです。

以上のことから、ウイルスは生物ではないのではないか?と考えることができます。

しかし、現状では、生物系の研究者の意見は2つに分かれています。

つまり、生物であるという派閥と非生物であるという派閥です。

例えば、カルソネラ・ルディアイという細菌は、キジラミの細胞の中に寄生していて、自力では代謝などを行っていないという話があります。

生物というくくりに入っている細菌なのに、生物の定義を満たしているかどうかが怪しい場合があることから、ウイルスを非生物としている現在の定義自体が間違っていて、ウイルスは生物と呼んで良いのではないか、という話になるのです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

ウイルスはよく聞く言葉で、風邪をひいたりしたときの大半はウイルス感染であるという話もききます。

しかし、実際に見ることは出来ず、病院で検査して始めて判断することができます。

病気を引き起こすのだから、生物なのではないかという考え方も一般にはあると思いますが、現状では生物どうかを判断するために、明確な定義を持って対応しているつもりという状態です。

病気を引き起こすかどうかだけでは、生物とは言えないので、致し方ないかなと思います。

プリオンのような非生物が原因の病気もありますしね。

今後のウイルスに対する判断を待っていただければと思います。

ちなみに、今回のウイルスのように生物か非生物か立場が定まっていないものについては、その点について焦点を当てる試験問題が作りにくいです。

しかし、ウイルスの話でも、遺伝子が宿主の細胞内で増幅されて、必要なタンパク質が作られて、あらたなウイルスが細胞からたくさん出てくるといった、すでに確定している内容については、よく聞かれる可能性があると思われます。

世の中的に確定していないような内容の箇所があっても、試験に出るパターンがありますので、しっかりと勉強をしていただければと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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