こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「転写・翻訳の詳細」について解説しました。
スプライシングによって整形されることや、その整形時に不要物とされているイントロンというものがあることを学びました。
さらにコドンとアミノ酸の関係性も言及できたと思います。
ここまではDNAについて、さまざまな情報を学んできました。
それらを利用した計算問題が生物基礎で出題されますので、すこし例をだして考えて見ましょう。
それではご覧ください。
コドンに関する問題
まずはmRNAの3つの塩基の並び方であるコドンに関連した問題を考えてみたいと思います。
問題1
はじめに問題の解釈をしていきましょう。
今回はコドンに関する問題と書いた上で出題しているのでわかりますが、実際にはmRNAという言葉や塩基配列、翻訳、アミノ酸などからコドンに関連した問題であると考える必要があります。
また、コドンに関連するということは、mRNAの3つの塩基配列とある1つのアミノ酸が関連するという情報を思い出す必要があります。
さすがに、どの塩基配列でどのアミノ酸になるかを暗記する必要はありません。
そんな問題は出ないでしょう。
この問題では、UGUGUGUGUG・・・とならぶmRNAの配列ということになります。
つまり、UGUという塩基配列とGUGという塩基配列が見いだせるので、2種類のアミノ酸に翻訳されるだろうと考えることができます。
ただし、この問題には不備があります。
コドンとアミノ酸の関係性を暗記する必要性がないという前提なので、UGUとGUGで翻訳されるアミノ酸が同一のものになるか、異なるものかを判断することができません。
同一のアミノ酸に翻訳されるのであれば、1つのアミノ酸が繰り返され、異なるアミノ酸に翻訳されるのであれば2つのアミノ酸が繰り返されるという回答になるのです。
実際には、UGUはシステインに、GUGはバリンに翻訳されるので、2種類でよいのですけどね。
問題2
問題1ではUGの2種類の延期が繰り返しているというものでしたが、今回はUGCの3種類が繰り返しているという問題です。
延期の数が増えて難しそう・・・など考える方もいるかもしれません。
しかし、実際には簡単な問題になっています。
コドンは3つの塩基で構成されていますので、今回の問題ではUGCがアミノ酸に変換されるということになります。
つまり1種類のアミノ酸で構成されるということになります。
補足ですが、
今回の問題では、どの塩基からスタートしても、アミノ酸の種類は異なりますが、1種類のアミノ酸で構成されることになります。
翻訳開始コドンの後がUGCでスタートしていればシステイン、GCUでスタートしていればアラニン、CUGでスタートしていればロイシンとなります。
問題3
確率の問題も出題されることがあります。
確率と聞くと逃げ出したくなる方もいるとおもうが、冷静になって欲しいと思います。
まずは、「塩基配列に偏りがないと仮定すると」という文言について覚えて置かなければいけません。
これは、「塩基であるA、C、G、UがmRNAを読み進めた場合に、それぞれ1/4の確率で出現すると仮定しますよ」という意味です。
今回の問題であるリシンが指定されるAAAというコドンは、それぞれのAが1/4の確率で出現してできたものなので、1/4 ✕ 1/4 ✕ 1/4(=1/64)という確率で出現したことになります。
そして、AAAによって指定されたリシンは1/64の確率で出現したことになります。
同様にして、AAGによって指定されたリシンも1/64の確率で出現したことになります。
つまり、リシンは2/64(=1/32)の確率で指定されるという回答に行き着きます。
ここでも補足ですが、
プロリンというアミノ酸は、CCU、CCC、CCA、CCGの4つのコドンによって指定されますので、4/64(=1/16)の確率で指定されます。
リシンとプロリンを比較した場合、プロリンが指定される確率はリシンの2倍であると推定することができます。
重ねてお伝えしますが、今回の問題は、「塩基配列に偏りがないと仮定すると」という条件の元で行っています。
実際は塩基配列に偏りがありますので、今回の計算を実際の生物に直接適用するわけではないので注意してください。
問題4
yahoo知恵袋での質問に回答してみましょう。
「UとCのみからなり」という文章から、今回のmRNAはUとCしか使われていないという仮定のもとですすむことがわかります。
またU:C=5:1であることも仮定です。
この条件下では、塩基鎖にUが出現する確率は5/6、Cが出現する確率は1/6であることがわかります。
まず、どのようなコドンができるかについて考えてみましょう。
最初がUの場合は、UUU、UUC、UCU、UCCとなります。
最初がCの場合は、CUU、CUC、CCU、CCCとなります。
場合分けで今回は記載しましたが、樹形図などを用いても簡単に考えることができると思います。
さて、それではこれらのコドンがどのような割合でできるのか?
これは確率の問題となるでしょう。
1つ目の塩基がでる確率✕2つ目の塩基がでる確率✕3つ目の塩基がでる確率で計算します。
UUUの場合は、5/6 ✕ 5/6 ✕ 5/6(=125/216)となります。
CCCの場合は、1/6 ✕ 1/6 ✕ 1/6(=1/216)となります。
このようにして計算していくと残りのコドンは次のように計算できます。
UUCは25/216、UCUは25/216、UCCは5/216
CUUは25/216、CUCは5/216、CCUは5/216
この問題では、回答の方法が指定されていないので、どのような割合と言われても回答しづらいのですが、比率で表してみたり、%に計算し直してもいいと思います。
問題文に指定がある場合はそれに準拠しましょう。
今回は比率で表してみたいと思います。
UUU:UUC:UCU:UCC:CUU:CUC:CCU:CCC=125:25:25:5:25:5:5:1
となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「DNA関連の問題1」と題したものでした。
コドンを題材に色々な問題が作られるようですね。
習ったこと以外はいらないのですが、よく読まないと間違えてしまうものが多いと思います。
問題文を読む時にしっかりと整理しましょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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