(1-24)シャルガフの規則(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「核酸」について解説しました。

核酸が遺伝情報として生物が持っているDNAやRNAを指すことを学びました。

DNAやRNAを理解するためには、ヌクレオチドという名前のついた分子単位について理解する必要があります。

ヌクレオチドは、塩基、糖、リン酸からなる化合物で、ホスホジエステル結合というとても強い共有結合で1本鎖を形成していましたね。

今回は、DNAに含まれる塩基に関係した規則性について学びたいと思います。

シャルガフが見出したある法則を中心に学んでいきましょう。

それではご覧ください。

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シャルガフの規則とは

シャルガフの規則とは、さまざまな生物の異なる組織であっても、DNAに含まれる塩基には、
「A:T=G:C=1:1」が成り立つ
という規則のことです。

ちなみに、A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシンのことです。

この規則は、DNAが2本鎖で、かつ、AとT、GとCで相補的な塩基対を形成していないと成立しないことから、後にワトソンとクリックによってDNAの二重らせん構造を突き止める際に大きな助けとなりました。

また、この発見をする際に、様々な動物の各部位を使用して、塩基の割合を調べていました。

そこからわかったことが2つあります。

1つ目は、同一の生物では異なる組織であっても塩基の割合が同じであること。

2つ目は、塩基の割合が生物によって異なること。

先に示した相補的な塩基対の話も合わせると、シャルガフはDNAの塩基に関して、3つの発見をシたことになります。

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シャルガフの規則を利用した問題

シャルガフの規則のうちよく使用されるものは、「A:T=G:C=1:1」です。

これを利用した計算問題をよく見かけます。

例題1

たとえば、「ある生物のDNA中にAの割合が20%でした。Cの割合は何%ですか?」といったものです。

この場合は、Aの割合が20%ですので、Tの割合も20%となり、GとCをあわせて60%ということなります。

そのため、G:C=1:1ですので、Cは30%となるわけです。

例題2

次に、「ある生物のDNA中にAの割合が20%でした。2本鎖のうちの片方の鎖(α鎖)中でAの割合が30%、Cの割合が25%とすると、相補的な鎖(β鎖)中のTの割合とCの割合を求めよ」となるわけです。

シャルガフの規則

はじめに、相補的な塩基対の規則についてよく考えてみましょう。

相補的な塩基対とは、AとT、CとGのことです。

もっと詳しく言うとすると、例えばα鎖とAとβ鎖のTが相補的な関係にあります。

つまり、α鎖のA:β鎖のT = 1:1なのです。

シャルガフの規則

α鎖中でのAの割合が30%ですので、β鎖でのTの割合が30%とわかります。

また、α鎖中のCの割合は25%ですので、β鎖中のGの割合は25%です。

このように、まずはDNA鎖の規則性を単純に使用するだけで1つは答えが出てきます。

ここで、文字を使ってわからないものを仮に置きましょう。

シャルガフの規則

α鎖中のTの割合をx(%)、α鎖中のGの割合をy(%)とします。

DNA鎖の規則性からβ鎖中のAの割合はx(%)、β鎖中のCの割合はy(%)です。

α鎖の30%がA、β鎖のx%がAとしましたので、それぞれの塩基数を足すと2本鎖全体の20%の塩基数となるという式がかけます。

α鎖とβ鎖の塩基数をaとして、式を書いてみましょう。

シャルガフの規則

そして、計算すると、x=10という答えになります。

β鎖の10%がAということがわかりました。

つまり、α鎖の10%がTですね。

シャルガフの規則

問題文を見返すとα鎖のAが30%、Cが25%ですから、Gが35%であるとわかります。

質問はβ鎖中のCの割合でしたので、α鎖中のGの割合と同様に35%となります。

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このようにしてDNA鎖に関する規則性を使用した計算問題が作成されますので、計算方法をしっかりと理解しておくことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「シャルガフの規則」に関するものでした。

DNAに含まれる塩基には、
「A:T=G:C=1:1」が成り立つ
という規則をしっかりと覚えておいてください。

また、この規則がDNAが2本鎖で、かつ、AとT、GとCで相補的な塩基対を形成していないと成立しないということもよく利用されます。

ぜひ覚えてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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