こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「酵素」について解説しました。
体内の様々な代謝反応(同化や異化)が、酵素によって促進されていることを解説しました。
酵素自身はタンパク質であることから、生体触媒と呼ばれているようですね。
過酸化水素のカタラーゼによる分解やデンプンのアミラーゼによる加水分解はとても有名なので、再確認しましょう。
さて、これらの酵素はどこにあるのでしょうか。
体内での酵素の分布について、紐解いてみましょう。
それではご覧ください。
目次
代表的な酵素
代表的な酵素といえば、前回の記事でも書いたカタラーゼやアミラーゼ、ATPaseが挙げられると思います。
他にも消化酵素として、リゾチームやトリプシン、ペプシン、ペプチターゼ、リパーゼなどが挙げられるでしょう。
さらに、マルターゼのような糖に関わる酵素もあります。
有名な酵素が働く場所
酵素が働く場所は、酵素がなんのために働いているかを考えると一括りにすることが出来ます。
炭水化物の分解
まずは、デンプン(炭水化物)が消化管でどのように変化していくかを見ながら、酵素の働く場所をまとめていきましょう。
デンプンは、口の中に入ると咀嚼と唾液によって消化されます。
唾液中には、唾液アミラーゼが存在していて、デンプン(アミロースやアミロペクチン)のグリコシド結合を加水分解で切断します。
>>アミラーゼの働き
しかし、口腔内に留まっている時間はそれほど長くないため、胃から腸へと移動している間に膵アミラーゼによってさらに分解され、マルトースなどの2糖類へと変化していきます。
マルトースの場合には、小腸内のマルターゼによって結合が加水分解で切られ、グルコース2分子へと変化します。
このように、口腔内の唾液アミラーゼ、小腸内の膵アミラーゼ、小腸内のマルターゼなどの2糖類の加水分解酵素という順でグルコースにまで分解していき、デンプンを糖の形で吸収できるようにします。
タンパク質の分解
次に、タンパク質がどのように酵素によって分解されるかを追ってみましょう。
タンパク質は、胃に入るとペプシンによって分解を受けます。
分解をうけたタンパク質はポリペプチドの状態へと変化します。
ポリペプチドは膵臓由来のトリプシンによって、ペプチドにされます。
そして、小腸でペプチドはペプチダーゼによってアミノ酸に分解され、吸収できる形になります。
脂肪の分解
有名な栄養素の中では、最後に脂肪があります。
脂肪は膵臓からだされるリパーゼによって、グリセリンと脂肪酸に分解されたのちに吸収されます。
リパーゼは加水分解を行う酵素で、トリグリセライドのα位脂肪酸エステルを分解します。
リゾチーム
リゾチームは細菌の細胞壁を構成するムコ多糖類を加水分解する酵素です。
生体のほとんどあらゆる組織,体液あるいは分泌物中に存在しています。
これは唾液などの様々な体液にも含まれていて、生体防御機構の一つとされています。
カタラーゼについては、また別の記事で特集したいと思います。
その他の酵素の働く場所
酵素自体の名前は出てこなくても、酵素はいろいろなところで働いています。
例えば、ミトコンドリアでは呼吸にかかわる酵素が働いています。
また、植物にある葉緑体では、光合成に関する酵素が存在しています。
もちろん細胞内にある細胞質基質にもさまざまな酵素が含まれていて、生体のいろいろな機能に影響を及ぼしています。
ヒトが分解できない炭水化物
炭水化物の中で、ヒトが分解できないものがあります。
デンプンと同じように、グルコースなどの糖がたくさん結合しているのに分解できないのです。
代表例はセルロースです。
理由は単純で、セルラーゼという酵素をヒトが持っていないからです。
グルコースがたくさん結合しているのに、アミラーゼで分解できず、セルラーゼが必要な理由があります。
セルロースは、βグルコースというグルコースの状態がデンプンとは異なる状態で結合してできているのです。
酵素はかなり限定された形を認識して働きますので、結合様式が異なると反応部位に作用することができなくなってしまうのです。
いつかヒトがセルラーゼを獲得できれば、草だけ食べていてもエネルギーの吸収ができるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「酵素の分布」に関するものでした。
デンプンやタンパク質、脂肪の分解に関係する酵素は、消化管の中に分布していることがわかりました。
特に膵臓からはさまざまな酵素が分泌され、今回挙げた栄養素の全ての分解に関わっていました。
それ以外にも、呼吸に関わる酵素や光合成に関わる酵素など、体の働きに影響を及ぼす酵素がたくさんあることを理解していただけましたでしょうか。
ぜひ覚えてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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