こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「脊椎動物の血管系」について、解説をいたしました。
心房と心室は2つずつという生物ばかりではなかったですね。
しかし、ヒトの心臓のほうが、酸素や二酸化炭素の運搬効率やガス交換には効率が良さそうですね。
今回は、ヘモグロビンという色素タンパク質の働きについての話になります。
主題は酸素の運搬です。
どのように酸素が全身を移動するのかについてみていきましょう。
それではご覧ください。
赤血球とは
赤血球は、血液の中に含まれる有形成分で、骨髄の造血幹細胞から分化します。
赤血球になる前に脱核し、核がありません。
円盤状をしていて、真ん中にくぼみがあるのが特徴です。
あとで出てきますが、変形能があることも大事な特徴です。
赤血球には色素タンパク質が含まれていて、ヘモグロビンと呼ばれています。
ヘモグロビンとは
赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)は、酸素と結合します。
酸素を酸素濃度が高いところから酸素濃度が低いところへ運ぶのに適した能力があることが重要です。
ヘモグロビンは酸素濃度が高いところでは酸素と結合して酸素ヘモグロビン(HbO2)になりやすく、酸素濃度が低いときは酸素を解離して再びヘモグロビンに戻りやすいのです。
さらに、二酸化炭素濃度によっても酸素結合能がかわり、二酸化炭素濃度が高いところでは、酸素ヘモグロビンが酸素を解離しやすいという特徴を持っています。
これほど、体内に酸素も移動させるのに都合のよいタンパク質はありません。
ヘモグロビンの酸素解離曲線
横軸に酸素濃度、縦軸に酸素ヘモグロビンとした図を示します。
これは、ヘモグロビンの特徴を端的に表しています。
赤の曲線が動脈血で、青の曲線が静脈血(もしくは組織と表現されることもある)です。
曲線全部がどうのという話をするのではなくて、「肺胞のところでは酸素ヘモグロビンの量が多く、組織では酸素ヘモグロビンが少ないから、多くの酸素を肺胞から組織に供給できている。」というような情報を得られればよいのです。
他にも、肺胞のところで、血中のすべてのヘモグロビンが酸素ヘモグロビンになるわけではない(ヘモグロビンと酸素が結合するわけではない)ということや、組織のところで酸素ヘモグロビンすべてから酸素が解離するわけではないということもわかります。
そのため、組織に供給される酸素量は、肺における酸素ヘモグロビン量から組織における酸素ヘモグロビン量を差し引くことで求めることができます。
二酸化炭素の運搬
酸素の運搬をやりましたので、二酸化炭素の運搬についてもやっておきましょう。
まずは、酸素ヘモグロビンが末梢で組織へと酸素を届け、細胞内で代謝されて二酸化炭素ができあがります。
二酸化炭素がそのまま残っていては邪魔ですので、体をどうにかして外に出したいわけです。
そこで、赤血球が登場します。
赤血球内にある酵素が二酸化炭素を炭酸水素イオンに変えてくれますので、血漿に溶けることが可能になります。
これが肺まで到達すると、炭酸水素イオンから二酸化炭素に変化させる反応が起こるため、二酸化炭素が肺から体外へと排出されることになります。
ちなみに、赤血球の中にある二酸化炭素に作用する酵素は炭酸脱水酵素と呼ばれています。
末梢血管と赤血球
ここでは、主題からは離れますが、末梢血管の口径と赤血球の大きさについて、ちょっと見ていきたいと思います。
結論を先に書いておきますが、末梢血管の口径のほうが、赤血球の長さよりも小さいです。
しかし、酸素はほしいですよね。
なんと、赤血球が変形能を持っているために、末梢血管の中に入っていくことができるのです。
残念ながら、糖尿病などの病気があると変形能が衰えるため、赤血球が末梢血管に入れないという自体が起きてしまいます。
十分に注意が必要ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「酸素の運搬」と題したものでした。
赤血球にあるヘモグロビンがどれほど酸素の運搬に適した特徴を持っているのかを知ることができましたか?
さらに、二酸化炭素を血漿にとかして、肺に到達できるようにするための酵素までも赤血球が持っているます。
これらの特徴をしっかりと覚えて、ヘモグロビンの酸素解離曲線とセットで覚えて置けるとよいでしょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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