こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「数列の極限5」と題して、記事を書きました。
無限等比数列における収束の必要十分条件は、公比をrとすると、-1<r≦1でしたね。
学校のテストや模試、入学試験ではこの条件はすでに学校の授業で証明済みというスタンスで使用することが可能です。
そのため、それを知った上で利用することを想定した問題が出されることになります。
そして回答者側は公式を支える形に問題を変形していくことが求められています。
今回の記事では、無限等比数列が公比rの範囲が-1<r≦1のときに収束することを利用して回答する問題のうち、変形が必要なものを取り扱いたいと思います。
それではご覧ください。
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無限等比数列の収束について
念のため、以前の記事(数列の極限3、数列の極限4、数列の極限5)のうち、重要な部分を抜き出しておきましょう。

すべてはここに集約されます。
収束する形を意識しながら、問題を見ていきましょう。
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問題1
次の無限等比数列の極限を調べよ。

さて、この問題をみた時にとりあえずnを限りなく大きくしてみると∞/∞の形になることがわかりますね。

そんな時は、分母と分子を何かで割って収束できる形にすることが大事でした。
例えば、3次関数であれば、3次の変数で割ればよかったですね。(数列の極限1)
しかし、今回はちょっと形が違いますね。
そこで「収束できる形」というのが大事なポイントになります。
つまり、無限等比数列の公比rが-1<r≦1の範囲にいるように式変形することが大事です。
もう一つ注意しておくポイントがあります。
全ての項が収束できるような変形、又は∞が分母や分子の片方だけになる変形を心がける必要があります。
文章にすると考える必要が結構ありそうですが、今回の問題ではやることは単純です。
1番大きい項の絶対値で分母と分子を割ってみましょう。
今回の問題では、7nが一番大きな項ですね。
それでは割ってみましょう。

この状態でnを限りなく大きくしてみてください。

無限等比数列が収束する条件に当てはまっているため、すぐに計算できましたね。
今回の問題では、「5n-2n」が正であることは明白ですので、+∞になるということをご確認いただければと思います。
つまり、「2n-5n」の場合には、-∞になるということですね。
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問題2
次の無限等比数列の極限を調べよ。

類題ですが、今回の問題では公比以外の数字も出てきていますね。
やることは変わらないですが、解いてみましょう。
先ほどの問題と同様に分母と分子の中で1番大きい項で割りましょう。
公比の部分だけを使えば良いでしょう。

この状態でnをできる限り大きくすれば収束させることができますね。
計算式のまとめを書いておきたいと思います。

今回は収束して、極限値が3となりましたね。
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問題3
次の無限等比数列の極限を調べよ。

今までの問題と違うことがわかりますか?
今までは、分母の項で割ることができていました。
しかし、今回は一番大きな項で割ることにすると、分子の項で全体を割ることになります。
あとでちょっとわかりにくい部分が出てきてしまいますが、まずはやってみましょう。

それぞれの項が収束することはできそうですね。
それではnを限りなく大きくしてみましょう。

通常、1/0は計算ができません。
しかし、この分野は極限ですので、次のことを思い出してみてください。
「分母は限りなく0に近づいているだけである」
そのため、今回分母は正ですので、+∞に発散することがわかります。
さて、とても紛らわしい回答になってしまいました。
実は、分母の項の絶対値の大きい方を利用して、全体を割った方がわかりやすいという事実があります。
式で見てみましょう。

どの問題も分母の項の絶対値の大きい方を利用したほうが、無難かもしれませんね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「数列の極限6」と題したものでした。
無限等比数列を収束される公比の範囲がわかっているため、その範囲に収まる形を作るとあっさりと解けましたね。
知っている公式を使うにはどうしたら良いのかを常に考えていると、知らない問題でも変形の方法が見つかるかもしれません。
この分野に限らず、式変形の仕方を考えていきましょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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