こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「数列の極限4」と題して、記事を書きました。
無限等比数列の収束、発散、振動に関する公式を実際に問題で使用して回答する記事になりました。
公比をしっかりと確認して、どの条件に当てはまるかを確認すればよかったですね。
さて、今回は無限等比数列が収束するための必要十分条件を考えてみたいと思います。
必要十分条件は数Aで出てきますね。
このように他の分野とのコラボが応用問題としてよく取り上げられます。
ポイントをしっかりと押さえておきましょう。
それではご覧ください。
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必要十分条件とは
この分野は数Ⅲではありませんが、確認しておきましょう。
2つの条件p、qにおいて、p⇒qが真であるとき、次のように定義されます。
qはpであるための必要条件である。
pはqであるための十分条件である。
といいます。
また、p⇒q、q⇒pがともに真であるとき、
qはpであるための必要十分条件である
pはqであるための必要十分条件である
といいます。
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考え方
今回は無限等比数列{rn}が収束するための必要十分条件を考えます。
命題がないと話が進められないので、記載してみましょう。
●無限等比数列{rn}の公比rの範囲が◯◯ならば、無限等比数列{rn}は収束する。
●無限等比数列{rn}は収束するならば、無限等比数列{rn}の公比rの範囲が◯◯である。
この2つの命題が真となれば、必要十分条件となるわけです。
そこで、今回はこの2つの命題が真となるような公比rの範囲を求めることが目的になります。
1つ目の命題
●無限等比数列{rn}の公比rの範囲が◯◯ならば、無限等比数列{rn}は収束する。
これは、無限等比数列の公式(前回と前々回の記事を参照)から、-1<r≦1と推測できます。


これが公式でしたね。
よって
●無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1ならば、無限等比数列{rn}は収束する。
この命題は真とわかりました。
2つ目の命題
●無限等比数列{rn}は収束するならば、無限等比数列{rn}の公比rの範囲が◯◯である。
1つ目の命題で-1<r≦1のときに真でしたので、同じように◯◯に入れてみましょう。
●無限等比数列{rn}は収束するならば、無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1である。
この命題が真であるかどうかを調べれば終了です。
しかし、このままでは難しいですね。
こんなときは、今回の命題の対偶を調べれば解決する可能性があります。
▲無限等比数列{rn}の公比rの範囲が1<rまたはr≦-1ならば、無限等比数列{rn}は収束しない。
これは、無限等比数列の公式(前回と前々回の記事を参照)から真と判断することができます。
対偶が真と判断できましたので、今回の命題は真と判断できます。
●無限等比数列{rn}は収束するならば、無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1である。
結果
以上のことから、
●無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1ならば、無限等比数列{rn}は収束する。
●無限等比数列{rn}は収束するならば、無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1である。
この2つの命題がともに真でしたので、
無限等比数列{rn}が収束するための必要十分条件は「公比rの範囲が-1<r≦1である」とわかりました。
次の段落では、今回確認した必要十分条件を利用した問題をチェックしましょう。
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例題
数列{(a+2)n}収束するようなaの範囲を求めましょう。
今わかってることは、「無限等比数列{rn}の公比rの範囲が-1<r≦1ならば、無限等比数列{rn}は収束する。」ということです。
今回の問題では、公比は(a+2)です。
そこで、a+2=rとおいて考えてみたいと思います。
収束するには公比rの範囲が-1<r≦1でしたので、-1<a+2≦1とできます。
よって、-3<a≦-1が数列{(a+2)n}収束するようなaの範囲となります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「数列の極限5」と題したものでした。
無限等比数列が収束するための必要十分条件について学びました。
また、関連した問題についても紹介しました。
必要十分条件についてしっかりと理解していないと途中でよくわからなくなる可能性がありますので、その場合には必要十分条件について学んでからもう一度やり直すとよいでしょう。
理解できてしまえば応用は簡単なので、問題はそれほどないと思います。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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