こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「濃縮率」について、解説しました。
濃縮率は血漿中の濃度と尿中の濃度の比率でしたね。
そのため割り算で出すことができます。
また、濃縮率を使えば原尿量を簡単に出すことができました。
ただし、血漿中の濃度と原尿の濃度が一緒ならという条件付きですけどね。
さて、今までは再吸収されない物質を使って、原尿量をだしたり、濃縮率を計算したりしましたが、再吸収される物質についても計算できるようにしていきましょう。
それではご覧ください。
再吸収とは
腎臓の糸球体で血液がろ過され、原尿ができた後の話です。
原尿中にある大事なものを血液中に戻すための体の働きを再吸収といいます。
大事なものには、水やグルコースなどがあります。
体は50~70%が水でできていますので、なくなってしまうと脱水になって倒れてしまいますね。
そこで、ろ過した原尿中の水をほとんど再吸収します。
また、グルコースはエネルギー源ですので、再吸収することでエネルギー不足にならないようにしています。
現代はいつでも食事が取れる場合が多く、飢餓にはなりにくいですが、一昔前まではいつでも食事が取れたわけではありません。
体は必要なエネルギーが無駄に捨てられないようにする機能を備えてきたということですね。
再吸収量の計算
原尿中に含まれる物質量と尿中に含まれる物質量の差が再吸収量です。
ただし、細尿管での分泌を受けないという過程をして話を進めていきます。
再吸収量 = 原尿中の量 - 尿中の量
今回の再吸収量の計算は式にするとかなり単純ですね。
しかし、実際には落とし穴があります。
原尿中の物質濃度はわかりますが、原尿量がわからないと、原尿中の物質量は計算できないのです。
つまり、2-15でやった原尿量の計算ができないといけないので、しっかりと見直しましょう。
ということで、実際には次の式になります。
再吸収量 = (原尿中の濃度 ✕ 原尿量) - (尿中の濃度 ✕ 尿量)
実際の問題
「1分間あたりに再吸収されるナトリウムイオンの量(mg)を答えよ」という問題があり、次の表があったとします。
「なお、原尿量は1分間あたり120mLであり、尿量は1分間あたり1mL、血漿、原尿、尿の密度はいずれも1g/mLである。」
この場合、再吸収量 = (0.3% ✕ 120mL ✕ 1g/mL) - (0.3% ✕ 1mL ✕ 1g/mL)となります。
ただし、この場合は再吸収量の単位がgとなりますので、最後にmgに換算する必要があります。
1g=1000mgですね。
つまり、最後に1000をかけて、答えがでてきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「再吸収量の計算」と題したものでした。
原尿量を求められないと再吸収量を求めることができませんでしたね。
計算問題はつながっていることも多いので、ひとつずつできるようになる必要があります。
さらに、濃度や単位換算など意外と苦手な方もいますので、できるように練習が必要です。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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