こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「生物の多様性」について解説しました。
そして、進化の話を少しだけしたと思います。
今回の記事では、生物に見られる「進化の証拠」について、解説していきたいと思います。
姿かたちが違っても、生物全体からみたら近い種だったなんてことがありますよね。
進化とは何かを深掘りしてみましょう!
進化とは
進化とは、世代を経ていくときにある集団内に起きる遺伝的変化のことです。
あとでクジラを例に挙げますが、クジラの祖先は四肢があり、陸上にいましたが、四肢が短くなり、最終的にはヒレに変わっていきました。
これは、水中での生活に有利だったから短い四肢が生き残った、もしくは偶然にも突然変異で短い四肢のクジラの祖先が産まれそれが増えた、のどちらかです。
それぞれ自然選択、中立進化といいます。
今回は、これらの細かな説明は省略しますが、どちらも突然変異による遺伝子変化によってもたらされることは確かです。
相同器官
相同器官とは、進化して形やはたらきは変わってしまったけれども,もともとは同じ器官であったと考えられる器官のことです。
ヒトの手やクジラの胸びれ、コウモリの翼など形が全く違いますが、ヒトでいう橈骨、尺骨、上腕骨がそれぞれに見られます。
進化の証拠の一つとして扱われます。
クジラの進化
クジラを例にあげて、進化の過程を見ていきましょう。
これまでのクジラの化石から、クジラの祖先は南大西洋を経由して、アメリカ大陸にやってきたと考えられています。
現在最古のクジラの祖先と言われているのは、約5300万年前のパキケトゥスという四肢のある哺乳動物です。
その後、約4800万年前のインドハイアス、約4780万年前~4130万年前のアンブロケトゥスと進化して、水中に適した身体に変わってきます。
インドハイアスの時点で、頭蓋骨や耳、小臼歯にクジラ目との類似性がみられており、目に関してもクジラと同じように頭部の上方についていたことがわかっています。
それから、四肢が短くなってきたクッチケトゥス、約4000万年前には原始クジラと言われるドルドンが存在していました。
クジラの祖先はほとんどがインドやパキスタンあたりで見つかっていますが、ペレゴゼタス・パシフィカスと命名されたクジラの祖先がペルーの海岸沿いで発見されています。
約4260万年前に存在したと推定されるペレゴゼタス・パシフィカスは、四肢を持ち、つま先にはヒヅメがあることから、陸を歩く能力があったと考えられます。
また、つま先に水かきがあり、大きな尾ひれもあることで、泳ぎも得意だったことも推定されています。
このように、1度海から陸上に移動して生活を初めた哺乳動物が、水中へと戻っていく過程で、四肢が短くなっていき、泳ぐのに適した身体に変わっていき、水中生活に適した身体を手に入れていく過程を進化と呼んでいます。
ウミウシの分類は?
ウミウシは動物でしょうか、植物でしょうか。
結論から言ってしまえば、ウミウシは巻き貝の一種なので、動物です。
では、なぜ植物なのか?という疑問が生まれるのか?
それは、ウミウシが葉緑体で光合成を行うからです。
ウミウシは餌として食べた藻類から、葉緑体を自分の細胞内に取り込み、数ヶ月に渡って葉緑体の光合成能力を維持し、そこから栄養を得ます。
これを「盗葉緑体現象」と呼びます。
葉緑体で光合成を行うからといって植物として分類はできないので注意してください。
ちなみに、藻類の核に存在する光合成に必要な遺伝子が、ウミウシの核に移動(水平伝播)しているとする「遺伝子の水平伝播」説がいままでは有力でした。
しかし、基礎生物学研究所の研究で、光合成に必要な遺伝子がウミウシの遺伝子の中に入り込むという説は否定され、盗んだ葉緑体(盗葉緑体)を細胞の中で何らかの方法を用いて維持しているのではないかと考えられています。
このような複雑な機構が遺伝子を介さずに移動できることにとても驚かされます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
生物の進化について、ご理解いただけたでしょうか。
形は違えども、共通の祖先から進化してきた現在の生物は、相同器官を持っていることがあり、そういった種同士は相同器官を持っていない種に比べて近縁種であると考えることができると思います。
また、クジラが哺乳類と最初に知ったときには驚いたものですが、進化の過程を考えると納得できることがわかりましたでしょうか。
世界には様々な生物がいて、思いもよらない進化を辿っていることがよくあります。
時間があれば、気になった生物の祖先を辿ってみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
コメント