こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「ATP」について解説しました。
ATPの役割は、細胞内での代謝によるエネルギーの受け渡しの際に、エネルギーを一時的に貯蔵することでしたね。
同化を行うには、ATP合成酵素が使われていました。
ミトコンドリアの内膜や葉緑体のチラコイド膜にATP合成酵素は存在していることが重要でした。
また、異化によってエネルギーを受け渡して、生体活動の維持に役立っていました。
さらにホタルの体内でおきている生体反応を利用してATPを検出することで、衛生検査に応用されているという、生物の体内から飛び出した所でも活躍していることを復習しましょう。
さて、ATP合成酵素のように、体内では様々な酵素が働いています。
酵素がなければ、生体内の活動は維持出来ないのではないでしょうか。
この酵素について、今回は紐解いてみたいと思います。
それではご覧ください。
酵素とは
酵素とは、ある反応の前後で自身の変化は起きないが、化学反応を促進させる触媒としての機能をもつタンパク質のことです。
特に、酵素は生物に関わり合いがあるため、生体触媒と言われることもあります。
酵素の働きの例として覚えておいてほしいものがいくつかあります。
1つ目は、前回の記事でも取り扱ったATP合成酵素です。
ADPとリン酸を結合を促し、ATPの合成を促進します。
ATP合成酵素は、2つのタンパク質が合体して出来ており、分離したあとは、片方がATPの加水分解酵素(ATPase)となるので注意が必要です。
2つ目は、カタラーゼです。
過酸化水素を水と酸素に分解する反応をカタラーゼが促進します。
カタラーゼと同様の効果が得られる無機触媒には酸化マンガン(Ⅳ)があります。
酸化マンガン(Ⅳ)は二酸化マンガンと呼ばれることもあるので、注意が必要です。
実験的にはオキシドール(3%の過酸化水素水)がよく使用されます。
触媒のカタラーゼは、生物の血液や臓器片を用いることもあります。
過去にはブタの肝臓や鶏の肝臓といった記載がされている問題もあるようです。
過酸化水素水やオキシドールという言葉、気体が発生したといった文言が書かれていると、カタラーゼによる過酸化水素の分解促進の実験の可能性が高まるでしょう。
3つ目は、アミラーゼです。
特に、唾液アミラーゼがよく出てくるのではないでしょうか。
ヒトであれば、食事の際に摂取するデンプン中のグリコシド結合を加水分解する反応をアミラーゼが触媒します。
また、アミラーゼはpH7付近で最も働きます(反応速度が高い)ので、胃の中のようにpH2のような強酸性下では、触媒としての機能は示せないと思って良いと思います。
体内での酵素の働き
これまでの記事で、体内では化学物質の同化や異化といった代謝によって、エネルギーの譲受が行われていることを解説してきました。
この代謝における同化や異化といった化学反応は、ほぼすべてが酵素によって促進されています。
みなさんが知っている生体内の物質の合成も酵素が関わっています。
例えば、コレステロールであれば、主に肝臓の細胞内において、アセチルCoAという物質から14個の異なる酵素によって、14回代謝(同化)を受け、合成されます。
ちなみにコレステロールを下げる医薬品は、この14段階の合成の中で一番遅い化学反応が起きている酵素を阻害するものがよく使用されています。
このように、酵素による触媒反応は大変身近なものですので、ぜひ興味をもって接してみてください。
言葉の話
ATP合成酵素の話のときに、ATPを加水分解する酵素(ATPase)の話が出てきました。
この-ase(~アーゼ)は、酵素に付けられる語尾です。
ペプチドならペプチダーゼ、アミロースならアミラーゼといった具合です。
これを覚えておくと、-aseが付く名称をみたら酵素なんだなと判断することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「酵素」に関するものでした。
体内の様々な代謝反応(同化や異化)は、酵素によって促進されていることがわかりましたでしょうか。
酵素自身はタンパク質であることから、生体触媒と呼ばれているようですね。
過酸化水素のカタラーゼによる分解やデンプンのアミラーゼによる加水分解はとても有名なので、何度も確認してください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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