(4-4)金属の反応(化学基礎)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回の記事では、「酸化還元滴定」と題して解説をいたしました。

半反応式が作れないと計算ができないので、滴定を学ぶ前に半反応式を徹底的に作っておきましょう。

滴定の計算自体は、電子の物質量を求めることができれば、特に問題はないと思います。

できない場合は、物質量を求める計算問題を繰り返し解いて理解を深めるしかないので、同じ問題で良いので、毎日計算しましょう。

それでは、金属の酸化還元反応に移りたいと思います。

金属のイオン化傾向が出てきますので、順番をしっかりと覚えてましょう。

それではご覧ください。

金属のイオン化傾向

今回の記事では、水溶液中で金属の単体が電子を失って陽イオンになろうとする性質について解説します。

その性質のことを金属のイオン化傾向といいます。

そして、イオン化しやすい順に並べたものをイオン化列という名前で呼びます。

Liのほうが反応性が大きく(イオン化傾向が大きく)、Auは反応性が一番小さく(イオン化傾向が小さく)なります。

ゴロは「リッチに貸そうかなまあ当てにするなひどすぎる借金」というものが有名です。

30年以上前からありますからね。

これは比較をするためのものです。

二つの金属があった時に、どちらが陽イオンになりやすいのかが反応には重要なのです。

それでは、例を見てみましょう。

イオン化傾向の例

亜鉛板Znを硫酸銅(II)CuSO4の水溶液に浸した場合について考えましょう。

水溶液中の銅はすでに陽イオンの状態です。

亜鉛板は単体で、イオン化していません。

今回の場合は、イオン化傾向をみてみると、Znの方がCuよりも陽イオンになりやすいということがわかります。

この場合は、ZnがZn2+となって陽イオン化し、Cu2+がCuとなって析出します。

この反応は後ほど電池の原理として再び出てきますので、その時に思い出せると良いでしょう。

次に、亜鉛ではなく、銀板Agを硫酸銅(II)CuSO4の水溶液に浸した場合を考えましょう。

銅板の時と同じように、イオン化傾向を見てみましょう。

AgとCuでは、Cuのほうが陽イオンになりやすいですね。

そのため、何も反応が起きません。

このようにイオン化傾向は反応の有無を理解する上でとても重要です。

金属の溶解

イオン化傾向に従って、金属はさまざまな液体に溶けます。

反応しやすいイオン化傾向の大きいアルカリ金属やアルカリ土類金属は水に溶けますが、反応しにくいイオン化傾向の小さい金属であるPtやAuは王水にしか溶けません。

大まかには図のとおりでよいのですが、いくつか特殊な例もあるので、記事の最後に記載したいと思います。

代表例をあげて、それぞれ見てみましょう。

金属と水の反応

先ほども書きましたが、アルカリ金属やアルカリ土類金属はとても反応性が高く、冷水や熱水でも反応して溶解します。

代表例はナトリウムNaでしょう。

「手のひらサイズのナトリウムの単体の固まりをプールに投げ込んだら水柱がたった」なんていう話をしていた方もいました。

本当かどうかわからないですが、実際にやったら本当になりそうだなと思える程度には反応性は高いかと思います。

反応式は次のとおりです。

2Na + 2H2O → 2NaOH + H2

水と反応しますので、水素が発生することが特徴です。

また、Mgは熱水であれば溶解します。

さらに、Al、Zn、Feは高温の水蒸気とは反応することはでき、酸化物になります。

鉄が水と反応すると聞くとびっくりですね。

金属と酸の反応

イオン化傾向が小さくなるにつれて、さすがに水とは反応しなくなっていきます。

希塩酸や希硫酸の出番です。

例えば、亜鉛Znを希硫酸液中に入れた場合は水素を発生しながら溶けます。

Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2

これは、希塩酸や希硫酸から電離したH+と水溶液中のZnのイオン化傾向によって説明できます。

H2の方がイオン化傾向が小さいため析出(発生)します。

それではH2よりもイオン化傾向の小さい金属はどうなるでしょうか。

CuやAgの場合は、H2よりイオン化傾向が小さいため、希塩酸や希硫酸では溶かすことができません。

H2が析出(発生)することができないからです。

そこで水素以外が発生する液体を使用します。

それが酸化力を持つ酸であり、代表例は硝酸や熱濃硫酸です。

それぞれ違う気体が発生するため、溶かす溶液と発生する気体をセットで覚える必要があります。

最後に、PtとAuです。

イオン化傾向がとても小さくて、基本的に溶けません。

唯一、溶かすことのできる溶液が王水です。

王水は、濃硝酸と濃塩酸を1:3の体積比で混合したものです。

これは金の価値が高い理由と関係があります。

金、銀、銅がセットで使われるのも、溶けづらく、反応しづらいため、価値が保てるからなんですね。

特殊な例

Al、Fe、Niを濃硝酸に入れた場合、溶けないという事態が発生します。

これは、まったく溶けないのではなく、反応の過程で液体と接している部分に緻密な酸化皮膜ができることにより、それ以降は金属と液体が接することができなくなってしまうことに由来します。

この状態を「AlやFe、Niは不動態になる」といいます。

Pbを希塩酸や希硫酸に入れた場合にも同様の自体が発生します。

この場合はそれぞれPbCl2、PbSO4が不溶性の被膜となって金属と液体の接触を妨げることになります。

>>不動態のゴロを紹介しているサイト

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「金属の反応」と題したものでした。

イオン化傾向を知ることで多くの金属の反応性を知ることができましたね。

水素よりイオン化傾向が大きいかどうかが一つ目のポイントです。

イオン化傾向の小さい金属では、溶かす溶液と発生する気体を覚えることがポイントでした。

例外もありますので、最後に覚えましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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