(2-5)化学反応式(化学基礎)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回の記事では、「溶液の濃度」と題して解説をいたしました。

質量パーセント濃度やモル濃度は計算できそうですか?

計算できるようになったら、質量パーセント濃度からモル濃度にしたり、その逆にしたりと変換できるようにしましょう。

今回は化学を学ぶにあたって、その根幹となるような内容です。

化学反応式をかけることが、この後の学びの基礎になりますので、とても重要です。

式の作り方をしっかりと学びましょう。

それではご覧ください。

化学反応式とは

化学反応が起きると、反応物が生成物に変化します。

この反応物から生成物への変化を化学式で表したものが化学反応式と呼ばれます。

化学反応式では、使われた反応物の数や出来上がった生成物の数がわかるようにしなければなりません。

化学反応式から反応物と生成物の物質量の比を出すこともできますので、化学反応が起きた際の質量変化を追うことも可能です。

基本的な形は、

反応物1 + 反応物2 → 生成物

というものです。

算数や数学と同じように、左から書き始めます。

「+」を使いますが、足し算ではなく、「化学反応させる」という意味で捉えると良いでしょう。

また、左辺と右辺は同じものではないので(化学反応によって別のものになって、勝手に元に戻らないので)、「→」を使って繋ぎます。

それでは、例を挙げながら書き方を見ていきましょう。

一般的な化学反応式の書き方の解説

それでは、水素と酸素の反応(水ができる)を例にあげてみましょう。

化学反応式にまずは書いてみます。

H2 + O2 → H2O

あくまで化学反応式ではありますが、いいたいことは伝わりますね。

文章でSTEP1を書いてみると次のようになります。

①反応物の化学式を左側に、生成物の化学式を右側に記載して、「→」でつなぎます。

つぎに、使われた反応物や出来上がった生成物の数がわかるようにしていきます。

H2 + O2 → H2O

このままにしてしまうと、水素1個と酸素1個を反応させると水が1個できるというように読まれてしまいます。

そこで、分子の前に数(係数)を書きます。(STEP2)

H2 + 0.5O2 → H2O

両辺で各原子の数が等しくなるように係数を付ける。

しかし、水には酸素原子が1個しか使われていないので、酸素分子に含まれる酸素原子2個のうち、片方がどこに行ったのかがわからなくなってしまいます。

習い初めのときは、「片方の酸素原子は他の水素とくっついたんだろうから、別に大丈夫でしょ」みたいな考えが浮かんでしまいますが、それを式で書いてあげないといけないのです。

イメージではありますが、この図のような反応が実際には起きているはずですので、それを式に書き上げてあげます。

2H2 + O2 → 2H2O

このように反応物や生成物の前に整数の数字(係数)をつけるのがSTEP3です。

1つの場合、係数は省略されるのが一般的です。

係数が整数になるようにします。

以上のように、図にすることが容易な場合には、係数をつけていくことは難しくありません。

それでは、C2H4O2 + O2 → CO2 + H2O のような炭水化物の燃焼反応の場合、係数はどうなるでしょうか。

頑張れば図に書けそうですが、ちょっとテストをしているときにやれるような時間はなさそうですよね。

そのため、係数を文字でおいて、計算する方法があります。

化学反応式の書き方1

化学反応式の係数部分を文字でおいてみましょう。

aC2H4O2 + bO2 → cCO2 + dH2O

元素ごとに左辺と右辺で数が同じになる必要がありますので、等式を作ることが出来ます。

C : 2a = c

H : 4a = 2d → 2a = d

O : 2a + 2b = 2c + d

このようになります。

cとdはaで表すことが出来ますので、次のように化学反応式を書き換えます。

aC2H4O2 + bO2 → 2aCO2 + 2aH2O

O : 2a + 2b = 4a + 2a → 2b = 4b → b = 2a

と式を変化させることが可能です。

よって、aC2H4O2 + 2aO2 → 2aCO2 + 2aH2O と書くことが出来ます。

係数の比は、最小の整数比で表しますので、今回はa=1を代入すれば終了です。

C2H4O2 + 2O2 → 2CO2 + 2H2O

このようにして、化学反応式が完成します。

元素が少なく、簡単な化学反応式では文字をわざわざ置く必要はないかもしれません。

しかし、元素数が多く複雑な化学反応式となった場合には、係数を文字でおいたほうが速く係数を判明させることができると思います。

化学反応式の書き方2

すべてに係数を置く方法はすべての化学反応式に応用出来ますので、頼りにはなりますが、時間もかかりますので、できるだけ簡便にしたいところです。

そのため、すぐに分かる係数の比だけは先に書き入れる方法があります。

C2H4O2 + O2 → CO2 + H2O

この化学反応式で注目するべき場所はC(炭素)です。

4つの分子が今回の式に含まれていますが、左側に1つ(C2H4O2)、右側に1つ(CO2)の分子があるだけなので、左右の数を合わせやすくなります。

炭素(C)の数だけでみれば、C2H4O2にはCが2つ、CO2には1つなので、この反応ではCO2が2つできるだろうと予想できます。

そのため、C2H4O2 + aO2 → 2CO2 + H2O と書き表せます。

同様に、Hを見てみるとC2H4O2にはHが4つ、H2Oには2つなので、この反応でH2Oが2つでいることも予想できます。

よって、

C2H4O2 + aO2 → 2CO2 + 2H2O

と書くことができて、使う文字が1つでよくなります。

あとは酸素元素(O)の数をみて調節すれば良いので、左辺には2+2a個、右辺には6個となって、式ができます。

2+2a=6 → a=2

以上より、C2H4O2 + 2O2 → 2CO2 + 2H2O

全て整数になっているので問題なさそうですね。

どうでしたか?

全部文字で置くほうが簡単でしたか?

それとも見た目でわかるところを先に出したほうが楽でしたか?

自分が簡単だと思う方をまずは身につけてください。

>>筑紫秀岳館の化学反応式に関するページ

例題1

化学反応式の分子に係数を付ける説明をしましたが、説明の際は整数しかでてきませんでした。

整数で出来ない場合はどうしたらよいのでしょうか。

同様に炭水化物の燃焼反応でみてみましょう。

C2H6 + O2 → CO2 + H2O

「化学反応式の書き方2」でやったように、CO2とH2Oの係数をまずは決めておきます。

C2H6 + aO2 → 2CO2 + 3H2O

酸素元素(O)の数をそれぞれ数えて式にしてみましょう。

(左辺)2a =(右辺)4+3

a=3.5

C2H6 + 3.5O2 → 2CO2 + 3H2O

このように係数が整数ではなかった場合には、最小の整数になるように全体に数字を掛けます。

今回は2を全体に掛ければ、最小の整数になりますね。

2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O

このように、最後に整数になるように全体に同じ数を掛ければよいだけなので、心配せずにいつもどおりやりましょう。

例題2

炭水化物以外の反応も見てみましょう。

酸化鉄(Ⅲ)から鉄を工業的に作るときの反応で化学反応式の練習を行いましょう。

酸化鉄(Ⅲ)はFe2O3で、一酸化炭素を吹き込みながら反応させると、鉄と二酸化炭素ができます。

Fe2O3+CO → Fe+CO2

「化学反応式の書き方2」でやったように、Feや一酸化炭素、二酸化炭素の係数を決めます。

Fe2O3+CO → 2Fe+CO2

しかし、酸素の数を決めるのが難しいですね。

ここでポイントなのは、Fe2O3とFeは比率が1:2であるということと、COとCO2の比率が1:1であるということです。

そのため、次のように文字を使って化学反応式を書くことができます。

aFe2O3+bCO → 2aFe+bCO2

あとは酸素の数を式にしてみましょう。

3a+b=2b

3a=bとわかりますので、代入してみましょう。

aFe2O3+3aCO → 2aFe+3aCO2

最小の整数にするために、a=1を代入して

Fe2O3+3CO → 2Fe+3CO2

このようにして、計算すればできあがりです。

今回の例題は、「化学反応式の係数の比は、各物質の物質量の比と等しい」という性質を利用しましたので、覚えておいてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「化学反応式」と題したものでした。

化学反応式を書くには、化学式が書けることだけでなく、それを式にして、係数を計算する必要がありました。

失敗する可能性が1番高いのは係数の計算です。

まずは自分がやりやすい方法を一つ身につけてみましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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