こんにちは。アラフォーパパです。
二酸化炭素はみなさんご存知ですよね。
今回はその二酸化炭素が身体に及ぼす影響について解説します。
もしかしたら、学校で授業中に薬剤師が二酸化炭素濃度を測定しているところに出会ったことがあるかもしれません。
空気中の二酸化炭素濃度が高くなると実は身体にいろいろな影響がでるのです。
教室だけでなく、締め切った自室でも起こりうることです。
なにか起きるのか?
ぜひ確認してください。
空気中の二酸化炭素濃度
空気には様々な気体が含まれています。
8割が窒素、2割が酸素ですよね。
二酸化炭素は空気の約0.03%程度です。
濃度で表現すると、400ppm程度(気象庁より)です。
学校環境衛生管理マニュアルという教室の環境衛生に関するマニュアルがありますが、そこでは二酸化炭素濃度は1500ppm以下が望ましいとされています。
しかし、締め切った教室では1回の授業の間(45分程度)にも、1500ppmを超えてしまうことがしばしばあります。
超えてしまった場合、何が起きるのでしょうか?
二酸化炭素の影響
二酸化炭素濃度が上昇してくると身体には様々な症状が出てきます。
症状について、以下に示しますので、一つずつ見ていきましょう。
眠気
眠気は二酸化炭素濃度が上昇したときによく出現する症状です。
今回参考にした福島女子大学の研究では、2000ppm以上の二酸化炭素濃度で眠気がでていることが確認されています。
他の研究においても同様の結果がでていることから、二酸化炭素濃度の上昇により、眠気が誘発されることは間違いなさそうです。
また、今回の研究では、45分間の暴露であったため、授業中であっても眠気が出てくることが十分に予想されることとなりました。
大学入試や高校入試のときは冬ですので、試験会場の二酸化炭素濃度が高くならないことを祈るのみです。
必要なら窓を開けてもらいましょう。
計算能力の低下
二酸化炭素濃度が高くなると計算能力が低下するといった報告は昔からあるようです。
今回参考にしている福島女子大学の研究でも同様の結果になっています。
2000ppmを超える二酸化炭素濃度の場合には、計算能力が低下することを覚えておいてください。
「計算能力が低下しているときにどの程度できるのかアウトプットの練習をしよう」といった戦略的な場合を除き、外部因子による計算能力の低下はあまり受け入れたくないものです。
自室であっても締め切っている場合には、二酸化炭素濃度は徐々に上昇していきます。
長い時間こもっている場合には、二酸化炭素の影響を受けている可能性がありますので、休憩をスケジュールにしっかりと組み込んでください。
そして、休憩中には空気の入れ替えをしっかりと行いましょう。
参考文献:高濃度の二酸化炭素が覚醒と精神作業能へ与える影響 人間工学 Vol.58, No.2(’22)
窓のあけ方
次に、二酸化炭素濃度を減少させるために窓を開ける場合、どの程度あければよいのかについて検討した報告を読み解きたいと思います。
東京理科大学が行った研究では、教室の外側窓や廊下ドア、換気扇などの様々な換気場所を検討しています。
残念ながら換気扇では二酸化炭素濃度を十分に下げることは難しいため、窓を開けるしか無いようです。
教室外側窓の全開放は二酸化炭素濃度の低下に大きな影響を与えることが示されています。
他の窓やドアなども一緒にあけるとすぐに二酸化炭素濃度は低下することも明らかにされました。
文部科学省により2方向換気が推奨されており、それが正しいことが追認された形です。
実際に学校を訪問したときによく見る10cm程度窓を開けるといった対応についても研究されています。
残念ながら10cm 程度の場合短時間では十分な換気はできていないという結果になっています。
弘前大学で行われた研究でも、教室外側の窓の開放とドアの開放をともに行った場合には、二酸化炭素濃度が一番下っていました。
しかし、開放時間が短い研究であったため、十分には下げることが出来ていなかったという報告でした。
教室外側の窓を休み時間ごとに、休み時間中ずっと、全開にする対応が、今のところ最善と思われます。
自室で空気の入れ替えを行う場合にも、外気を取り入れることのできる窓をあけ、ドアを同時にあけておくと換気がしやすいとかんがえられますので、取り入れてみてください。
参考文献:
①中学校教室における窓開放条件と自然換気量に関する研究 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集[2021.9.15~17(福島)]第4巻
②教室の温度・二酸化炭素濃度の変化と自然換気による換気方法の検討─寒冷地の中学校における冬季暖房時の温熱・空気環境の実測調査─ 養護実践学研究 2(2),29‒38,2019
まとめ
いかがでしたでしょうか。
空気中の二酸化炭素濃度が上昇することにより、眠気や計算能力の低下が引き起こされる可能性が今回の文献調査でわかったと思います。
受験生は試験中に見えない敵(二酸化炭素)とも戦う必要があり、受験会場の二酸化炭素濃度をなんとしてでも下げてもらう必要があります。
また、普段の勉強においても効率が低下しますので、基本的には二酸化炭素濃度があがらないように注意するべきです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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