こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、三角形の合同の証明2-2と題して、「2辺とその間の角がそれぞれ等しい」という合同条件で証明する内容をお届けしました。
前回は「共通」をテーマにして三角形の合同を証明しました。
共通の角を利用する証明ですが、この場合は必ず図形が重なっているので、証明したい三角形がわかりにくくなる場合があります。
そういった場合には、証明したい図形をそれぞれ手書きで書き出してあげるとわかりやすくなるかもしれませんね。
今回は、錯覚や対頂角をつかって角が等しいことを導いていきましょう。
平行線が出てくることが多いので、そちらとの関係も確認しておきましょう。
それではご覧ください。
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合同条件
今回からは、3種類ある合同条件のうち、「2辺とその間の角がそれぞれ等しい」という条件で証明をする問題のみになります。
合同条件を選択する部分については、考える必要がありませんので、証明の内容に集中しましょう。
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対頂角を利用した証明
図を確認して、次の証明をしてください。

ACとBDの交点をEとする。点EはACおよびBDの中点である。
この時、△EAD≡△ECBを証明せよ。
まずは、この問題に関係のある三角形の対応する頂点をチェックしておきましょう。
図形が反対向きになっているので、少しわかりにくいですが、「△EAD≡△ECB」という問題文の記載から、判別できます。
頂点Aと頂点C、頂点Dと頂点Bが対応しています。
△EADの2番目のAと△ECBの2番目のCが対応していて、△EADの3番目のDと△ECBの三番目のBが対応しているということです。
場合によっては、それぞれの三角形を抜き出して横に並べたほうがわかりやすいかもしれません。
しかし、その場合は対頂角が見えにくくなったりするので、注意が必要です。
それでは、証明を始めてみましょう。

ACとBDの交点をEとする。点EはACおよびBDの中点である。
△EADと△ECBについて
仮定より、点EはACの中点なので、EA=EC・・・①
点EはBDの中点なので、ED=EB・・・②
対頂角は等しいので、∠AED=∠CEB・・・③
①、②、③より、2辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△EAD≡△ECB
今回の証明は、対応する辺が等しいことの証明は問題文からでき、対応する角が等しいことは対頂角を利用して証明しました。
対頂角については、問題文に何も書いていなくても、図形からわかる条件です。
図形から等しいと判断してよい数少ない条件ですので、気付けるようにしましょう。
また、この証明によって、2つの三角形が合同と証明されたわけですが、2つの三角形が合同であるため、錯角が等しいことが導き出せるので、直線Xと直線Yが平行であることも証明することが可能です。
証明に慣れてきた方は、平行線の証明を考えてみてください。
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錯角を利用した証明
図を確認して、次の証明をしてください。

X//Y、点EはACの中点、AD=BCのとき、△AED≡△CEBを証明せよ。
さて、今回はわかっている条件とその条件から導き出せるものが多いので、必要な条件を取捨選択する必要があります。
証明を書く前に、確認してみましょう。
X//Yからわかることは、「平行線の錯角が等しい」という条件です。
また、図形から対頂角が等しいですね。
辺については、中点Eがあるので、AEとCEが等しいですし、問題文にAD=BCが記載されていますね。
今回の記事では、「2辺とその間の角がそれぞれ等しい」を使って証明するというテーマですので、それにあった条件を抜き出して証明を書いてみましょう。
それでは、証明をしてみたいと思います。

X//Y、点EはACの中点、AD=BCのとき、△AED≡△CEBを証明せよ。
△AEDと△CEBについて
仮定より、AD=BC・・・①
この問題では、AD=BCが問題文にあるので、この条件を利用しようと思うと、∠AED=∠CEBという対頂角の条件が利用しにくくなりますね。
仮定より、点EがACの中点なので、AE=CE・・・②
ここまで辺の条件を書いてくると、最後の1辺がわかるか、間の角がわかれば証明が終われそうですね。
今回は、「2辺とその間の角がそれぞれ等しい」という条件を利用する前提で証明を書いていきますので、間の角が等しいことを証明していきましょう。
仮定より、X//Yなので、平行線の錯角は等しいことを利用して、∠DAE=∠BCE・・・③
①、②、③より、2辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△AED≡△CEB
さて、∠AED=∠CEB(対頂角)を利用する方法ももちろんあります。
1つ目は、②と③と∠AED=∠CEB(対頂角)があれば、1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、合同とできます。
2つ目は、∠AED=∠CEB(対頂角)と③から∠ADE=∠CBEを導いて、∠ADE=∠CBEと①と③で、1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、合同とできます。
ただし、2つ目の場合は、∠ADE=∠CBEが平行線の錯角は等しいことから証明できてしまうので、対頂角を利用することは少ないかもしれませんね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「三角形の合同の証明2-3」と題したものでした。
対頂角や平行線での錯角を利用することで、角が等しいことを証明することができます。
これらを利用することで、必要な角の条件を満たすことができます。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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