こんにちは。アラフォーパパです。
前回の記事では、「標準状態」と題して解説をいたしました。
標準状態の理想気体の話でしたね。
1molの理想気体は22.4Lでした。
問題文に標準状態と書いてあるかどうかを最初に確認しましょう。
今回は液体の話に変わります。
何がが溶けている液体を溶液といいますが、その溶液中の溶けている物質の濃度について確認していきましょう。
小学校や中学校でも出てくる濃度ですが、今回は物質量に関連した濃度も学ぶことになります。
それではご覧ください。
溶液を扱う時の用語
まずはこれから出てくる用語について確認しておきましょう。
①溶液とは、ある物質が溶解している液体のことを指しています。
懸濁ではだめですので注意してください。
また、液体の縛りはありませんので、水でなくてもよいのです。
②溶質とは、液体に溶けてる物質のことです。
溶液を作成するときに溶かす物質のことですが、溶ける前のものは含まれません。
③溶媒とは、溶液のうち物質を溶かしている液体のことを指しています。
④濃度とは、溶液中に溶けている物質の割合のことをいいます。
表し方については特に決まりはありませんので、様々なパターンが化学基礎では出てきます。
今回は3種類でて来ますので、それぞれの違いを比べてみてください。
以上が基本的な用語になりますが、うろ覚えだと読んでいる間にわからなくなってくるものです。
正しく理解できているか復習してみてください。
質量パーセント濃度
名前の通り「質量」が関わる濃度です。
溶液(ある物質が溶解している液体)の質量中のどの程度の割合(%)が溶質(液体に溶けている物質)の質量であるかを表すものです。
式で書くと次の通りになります。
質量パーセンタ濃度(%)=(溶質の質量[g])÷(溶液の質量[g])✖100
すべて「質量」にする必要があります。
しかし、水であれば密度が1g/cm3ですので、1L =1kgでよいのですが、溶液は何かの物質を溶かしているため密度が1g/cm3ではなくなっています。
問題文に密度が書かれているはずですが、どうやって使うかわからず見逃すこともしばしば。
例えば食塩水の密度は、質量パーセント濃度1%の場合は密度が1.00409、質量パーセント濃度20%の場合は密度が1.14533となっています。
そのため、溶液1Lをグラム単位に変換する練習は必須です。
ただ、「密度は1g/cm3とする」という言葉を問題文に入れてくれる場合もありますので、その際は水と同様に扱えば大丈夫です。
優しい問題だといいですね。
モル濃度
ここからは物質量が関わってきます。
単位で書くのであれば、mol/Lです。
言葉で書くのであれば、1Lの溶液中にある物質が◯mol入っているといった意味合いになってきます。
1mol/Lの溶液であれば、1Lの溶液中に1molの物質が溶けているということになります。
この表し方が最もよく使用されるため、十分な復習が必要になると思います。
また、モル濃度と溶液の体積から、溶質の物質量を求めるような問題もでるので、モル濃度の求め方だけでなく、使い方についても十分に練習する必要があります。
また、質量パーセント濃度や質量モル濃度からモル濃度へと変換する計算についても身につけておく必要があるでしょう。
質量モル濃度
今回も物質量を使用します。
ただ、溶液の体積(L)ではなく、溶媒の質量(kg)を使うという点が異なっています。
溶媒1kg中に含まれている溶質の物質量という計算方法です。
とても大事なので、もう一度書いておきます。
質量パーセント濃度とモル濃度は溶液の質量や体積を使用します。
一方、質量モル濃度は溶媒の質量を使用します。
絶対に「溶媒の質量」を使用することを忘れないでください。
この部分さえ間違えなければ、計算はそれほど難しくありません。
質量モル濃度(mol/kg)=溶質の物質量(mol)÷溶媒の質量(kg)
絶対に気をつけてくださいね。
質量パーセント濃度からモル濃度への変換
最後に、濃度の単位変換をチェックしておきましょう。
質量パーセント濃度49%の硫酸水溶液があったとしましょう。
これをモル濃度に変換するにはどうしたらよいでしょうか。
条件は、今回の硫酸水溶液の密度を1.4g/cm3として、原子量はH=1.0、O=16、S=32とします。
質量パーセント濃度は、溶質の質量(g)÷溶液の質量(g)✖100で計算できました。
今回使う溶液を1Lと仮定して考えてみましょう。
密度が1.4g/cm3ですので、1.4g/mLと置き換えれ、今回の硫酸水溶液は1Lと仮定しているため、1400gと計算できます。(1.4g/mL ✖ 1L)
これで溶液1Lを溶液1400gに置き換えることが出来ました。
あとは、今回の問題では49%となっていますので、1400gの49%(1400✖0.49g)が溶質の質量ということが計算できます。
ここまでわかっていることをまとめてみましょう。
溶質の質量=1400✖0.49g(計算は面倒そうなのでこのまま進めます)、溶質の物質量は不明(まだ計算できていない)、溶液の質量=1400g、溶質の体積=1L
ということで、溶質の物質量を求めてみましょう。
溶質は硫酸ですから、H2SO4ですね。
H2SO4の分子量は、2+32+16✖4=98ですね。
分子量が98であれば、1molあたりの質量は98g/molとなります。
その結果、(溶質の質量1400✖0.49g)÷(1molあたりの質量98g/mol)で計算出来ますので、今回の溶質の物質量は7.0molとわかります。
最後はモル濃度の計算式に当てはめればよいので、(溶質の物質量7.0mol)÷(溶液の体積1L)で計算ができて、7.0mol/Lというように単位の変換が完了しいます。
質量パーセント濃度49%の硫酸水溶液はモル濃度7.0mol/Lの硫酸水溶液であるということがわかりましたね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「溶液の濃度」と題したものでした。
モル濃度が特に使われますので、最初に覚えておくほうが良いでしょう。
そのためにも物質量を求める計算を復習しておくべきです。
また、難しく思わせるために質量パーセント濃度からモル濃度への変換を求める問題も出てくると思いますので、どのように計算すればよいのかを定期的に確認しておきましょう。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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