(1-6)結晶の種類(化学基礎)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回の記事では、「同位体」と題して解説をいたしました。

アイソトープとも呼ばれる同位体について理解できましたでしょうか。

その中でも、ラジオアイソトープ(放射性同位体)は実社会の中で様々な形で利用されています。

その基礎となりますので、中性子の数による変化をしっかりと覚えておきましょう。

さて、結晶はご存知でしょうか。

塩の結晶とか雪の結晶とか言いますよね。

しかし、今回は共有結合による結晶や金属の結晶を解説していきたいと思います。

それではご覧ください。

イオン結晶

陽イオンと陰イオンがイオン結合で規則正しく配列した結晶をイオン結晶といいます。

身近なものだと食塩の主成分である塩化ナトリウムが当てはまります。

化学式ではNaClと書く塩化ナトリウムは陽イオンになりやすい金属元素Naと陰イオンになりやすい非金属元素Clからなっている物質です。

他にも酸化マグネシウムMgOもイオン結晶です。

また、非金属元素のみからなるイオン結晶もあります。

多原子イオンのところで出てきたアンモニウムイオンNH4+と陰イオンからなるイオン結晶です。

例えば、塩素イオンと結合したNH4Clや硫酸イオンと結合した(NH4)2SO4などがあります。

金属結晶

金属結合によって生じる結晶のことを金属結晶といいます。

自由電子が存在するというのが特徴です。

そのため、金属光沢や電気伝導性、熱伝導性を持っています。

金属結晶には展性や延性という特性もあり、薄く広げたり長く引き延ばしたりすることができます。

共有結合の結晶

多数の原子が共有結合で結びつき規則正しく配列した固体を共有結合の結晶と言います。

例えば、炭素原子からなるダイアモンドや二酸化珪素SiO2からなる石英や水晶が挙げられます。

同素体

共有結合の結晶は同素体の話を一緒にしたほうがよいでしょう。

先ほどでてきた、炭素原子からなるダイアモンドですが、黒鉛やフラーレンといった同素体が存在しています。

どれも炭素原子から出来上がっています。

結合の仕方が異なるため、硬さや脆さなどに違いが生じています。

正確には、1種類の元素からなる単体のうち、性質の異なる単体が複数存在した場合に、それらを同素体と呼びます。

炭素の他にも、酸素やリン、硫黄の同素体が有名です。

表にしてみたいと思います。

よく出てくるのはこの4種類の元素で、SCOP(スコップ)と覚えるとよいでしょう。

共有結合の結晶の特徴

共有結合の結晶は、原子間にはたらく共有結合がとても強いため、極めて硬く、融点が非常に高いという特徴があります。

ダイヤモンドのことを考えるとよくわかりますね。

さて、ダイヤモンドの同素体(同じ炭素で出来ている)である黒鉛には特徴的な構造があります。

それは、通の炭素原子が正六角形網目状の層状構造(グラフェン)を作り、その層同士がとても弱い引力で積み重なっている構造をしているということです。

グラフェンの部分は硬いのですが、弱い引力でつながっている部分は切れやすいため、黒鉛は柔らかく、剥がれやすいという性質を持ち合わせています。

さらに、グラフェン部分は正六角形がいくつもつながった形をしており、1つの炭素には共有結合部位が3つあるため、電子が1個余っており、それが層上を移動することが出来ます。

これは金属の自由電子のような特徴になるため、電気伝導性を持つことになります。

リンに話が変わりますが、黄リンも覚えておく特徴があります。

それは自然発火することです。

そのため、保存は水中と決まっています。

ちなみに、お墓で火の玉がでたときにリンが自然発火したからというヒトがいますが、それなら火事になってもおかしくないので、たぶん違うでしょうね。

分子結晶

多数の分子が、分子どうしに働く弱い引力(分子間力)で集まり、規則正しく配列した固体を分子結晶と言います。

例えば、二酸化炭素の固体であるドライアイスやヨウ素I2の固体が該当します。

物質の三態

昇華の話が出てきましたので、物質の三態(個体、気体、液体)について触れておきたいと思います。

三態間の変化は状態変化と言われます。

水を例にあげて、温度と水の状態変化をグラフ化してみましょう。

御存知の通り、水は0℃以下で氷という固体状態になります。

また、100℃で沸騰して水蒸気という気体状態になります。

その間は水という名前のついた液体ですね。

そのため、氷を0℃以上の環境に置くと熱を吸収して融解がおき、固体から液体へと変化していきます。

この際に、すべてが氷から水になるまでは0℃が保たれます。

融解に熱が使われていくためです。

また、液体から気体に変化するときも同様の減少が見られ、水がすべて水蒸気に変わるまでは100℃が維持されます。

このような現象は他の物質でも見られますが、物質それぞれにおいて融点や沸点が異なりますので、注意してください。

分子結晶の例

それでは、先に例にあげていたドライアイスを考えてみましょう。

ドライアイスは二酸化炭素から出来ています。

そして、物質の三態のうち固体にあたります。

二酸化炭素の沸点が-78.5℃(1気圧の場合)と言われていますので、日本にいる間はドライアイスは昇華することになるでしょう。

ここで大事なことは、沸点が低いという特徴が、分子結晶の特徴です。

分子結晶は分子同士が弱い引力(分子間力)で規則正しく配列しただけですので、すぐに離れてしまうのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「結晶の種類」と題したものでした。

今回は結晶をただしく理解していただくために、同素体や物質の三態も一緒に記載いたしました。

結晶化しているときの結合の強さによって特性が変わることを理解できましたでしょうか。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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