こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「体液成分」について、解説しました。
細胞外液に含まれる成分の再確認をしました。
さらに、その細胞外液の成分の濃度が一定に維持されていることや維持されていることがなぜ大事なのかについても学べたのではないでしょうか。
加えて、細胞内外の水の移動が、細胞内外の塩類濃度などによって起きることも再確認しておきましょう。
そこで今回は、水の再吸収に関連した内容にしてみたいと思います。
それでは、細尿管や集合管における再吸収に関連したホルモンの働きについてみていきましょう。
それではご覧ください。
再吸収の復習
原尿からの再吸収についてですが、覚えていますか?
過去の記事を参考にしてみると良いと思います。
しかし、それだけではちょっとさみしいですよね。
文章になりますが、原尿からの再吸収について復習してみましょう。
まず、糸球体を通った血液が、血圧によって押し出されてろ過されます。
ろ過された水溶液が原尿です。
しかし、原尿には体に必要なものがたくさん含まれています。
例えば、グルコースや水、無機塩類などなど、たくさんあります。
これらを原尿から取り戻さなければならないので、尿として膀胱に送られる前に回収するのです。
これが再吸収です。
そして、再吸収の現場が細尿管や集合管ということになります。
今回は水を中心に、無機塩類の一つであるNaイオンの再吸収についての話になります。
また、それに関わるホルモンが登場しますので、ぜひ御覧ください。
バソプレシン
水の再吸収に関わる重要なホルモンはバソプレシンといいます。
バソプレシンは、集合管にある受容体に作用して、水の再吸収を促します。
今記載したとおり、水のみの再吸収を促進するので、覚えておいてください。
体液の塩類濃度の上下とバソプレシンの分泌の増減は関連があります。
体液の塩類濃度が通常よりも濃ければ、体内に水を多く戻して濃度を薄くする必要があるので、バソプレシンを増量して水の再吸収だけを増やします。
反対に、体液の塩類濃度が通常よりも薄ければ、水だけを再吸収するともっと薄くなってしまうために、バソプレシンの分泌は減少します。(分泌が抑制されるとも書きます)
鉱質コルチコイド
鉱質コルチコイドも腎臓での水の再吸収を促進するホルモンですが、バソプレシンとは異なり、Naイオンの再吸収も増加させます。
Naイオンの再吸収を促進するということは、体液中に無機塩類を増やすということです。
そのため、体液の塩類濃度が下がっているときは、鉱質コルチコイドの分泌が増えて働くことで、水とNaイオンを再吸収して、体液塩類濃度を通常の状態に戻していきます。
余談
タイトルの通り、余談です。
先ほど、「バソプレシンの段落で、集合管にある受容体に作用して」と書きました。
生物基礎を学んでいる時点では、それほど気にしなくても良いかもしれませんが、気になる方もいるかと思います。
まず、受容体は体の中の情報を伝達する際に使用される物質の受け手です。
現在ある多くの薬も受容体に結合するものが多いです。
なぜ大事なのかというと、受容体に情報を伝達する物質がくっつくと、生体内で情報伝達がつながっていきます。
今回出てきたバソプレシンがもっている情報は「体に水が足りないから原尿から回収して」というものになります。
そのため、体は体液塩類濃度が上昇したときにバソプレシンの分泌を促進します。
このバソプレシンが、バソプレシン受容体(バソプレシン専用の受容体)に結合すると、この受容体が表面にある細胞では、細胞内で情報伝達がはじまり、アクアポリン2というタンパク質にまで伝わります。
このアクアポリン2は、水だけを通すことのできる細胞表面の孔として存在しています。
そして、「孔を開けて」というバソプレシン受容体からの情報によって水を通せる孔を拡げるのです。
こんな背景がありますので、「バソプレシンの段落で、集合管にある受容体に作用して」と書いて説明をすることになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「再吸収」と題したものでした。
体液塩類濃度が上昇したとき、低下したときで活躍するホルモンが異なることはわかりましたでしょうか。
バソプレシンは水だけの再吸収を促し、鉱質コルチコイドは水やNaイオンを再吸収を促します。
鉱質コルチコイドが分泌されるときは、バソプレシンの分泌は抑制されています。
このようにして、体内ではホルモンが活躍して、体の恒常性維持を果たしています。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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