(2-9)肝臓のはたらき(高校生物基礎の総復習講座)

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こんにちは。アラフォーパパです。

前回は、「肝臓の構造」について、解説しました。

肝臓の組織の構造や血管の本数、肝細胞で作られる胆汁についてなど、肝臓の構造にかかわるものでした。

肝門脈の血液が静脈血であることや肝小葉の構造についてはしっかりと覚えたほうが良いでしょう。

今回は、肝臓の働きについてです。

肝臓は様々な働きを担っていて、体に必要な仕事をたくさんしています。

一つ一つ確認していきましょう。

それではご覧ください。

肝臓のはたらき

今回は、肝臓の働きのうち主な7つの仕事を紹介していきたいと思います。

項目をあげてみると、血糖濃度の調節、血漿タンパク質の合成、尿素の合成、解毒作用、赤血球の破壊、胆汁の生成、温熱の産生となります。

それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。

血糖濃度の調節

血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度のことを、血糖濃度と表現します。

つまり、血液の中のグルコースのことをここでは糖と表現するということです。

本来は、体内にはグルコース以外にも糖が存在しますが、血糖濃度の話をするときには出てきません。

影響がほぼ無いと考えて良いからです。

さて、グルコースですが、肝臓ではグリコーゲンとして貯蔵されます。

貯蔵される部位は肝細胞です。

低血糖(血液中にグルコースが足りない状態)になるとグリコーゲンが分解されて、グルコースを作り出して、血液中に放出します。

この反応には5~15分程度かかると言われています。

ただし、12時間~24時間の絶食でグリコーゲンが枯渇しますので、そのような場合にはグリコーゲンからのグルコースの補充ができなくなるので、低血糖が改善されないので注意が必要です。

血漿タンパク質の合成

様々なタンパク質が、血液中を流れていますが、その多くが肝臓で合成されているタンパク質です。

たとえば、血管内の水の保持や物質の運搬に関わっているアルブミンや、血液が凝固するときに関わるフィブリンに変化する前駆物質のフィブリノーゲンといったものが挙げられます。

肝臓が悪くなり、アルブミンの産生ができなくなると、血管内の水の保持が難しくなり、血管外に水が漏出しやすくなりますので、むくみなどが出てくる可能性があります。

タンパク質の合成ですので、しっかりと食事でアミノ酸を摂取していない場合には、作れる数が減ってしまうこともあるので、食事のときにアミノ酸をしっかりと摂取しましょう。

尿素の合成

体内でアミノ酸が分解されると、アミノ酸に由来する物質が出てきます。

これは呼吸によって起き、アンモニアが産生します。

アンモニアはヒトの体にとってとても有害です。

そのため、肝臓ではアンモニアを尿素に変えます。

尿素にすることで毒性が下がりますので、解毒作用の一つと考えても良いと思います。

この経路は、尿素経路という名前がついており、体内にあるとても重要な経路の一つです。

解毒作用

体内には、体にとって有害な物質の毒性を下げるための機能が備わっていて、それが肝臓にあります。

先ほど解説した尿素もその一つで、有害なアンモニアから毒性のひくい尿素に変えることで体を守っています。

他にも、アルコールの分解や薬の分解などの作用があります。

さまざまな酵素が肝臓には備わっているため、かなり多くの物質に対応できる能力があります。

ただし、アルコール性肝障害のような病名があるとおり、すべてを瞬時に無毒化できるわけではないので、過信しすぎてはいけません。

また、薬の場合は、この解毒作用が強い酵素を持っている場合には効果が落ちる可能性もありますし、反対に解毒作用が弱い酵素の方では薬が効きすぎる可能性もあります。

初めて使用する薬のときには、なにかあれば医師や薬剤師に連絡を取る方が良いでしょう。

赤血球の破壊

肝臓では、古くなった赤血球を破壊することができます。

他にも脾臓という臓器でも古い赤血球が破壊されます。

赤血球が肝臓で破壊されるとビリルビンやコレステロールが出てきます。

これらは胆汁中に排泄されます。

胆汁の生成

肝細胞では胆汁が生成されます。

この中に赤血球を破壊したときにできるビリルビンが含まれることになります。

胆汁は総胆管から十二指腸に排出されますので、ビリルビンは便とともに体外に排泄されることになります。

温熱の産生

肝臓で行われている代謝に伴って熱が産生されます。

代謝とは異化作用のことです。

この熱が、肝動脈や肝門脈を通って肝臓に入ってきた血流を温めることで、静脈を経由して全身へと向かっていき、体内に熱が分配されます。

体温維持に重要な熱発生源の1つです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事は「肝臓のはたらき」と題したものでした。

肝臓の主な働きについて学べたでしょうか。

主な働きだけでも7種類ありましたね。

それぞれが体にとって大事な機能でした。

>>NHKのまとめ(肝臓のはたらきとは?)

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれていて、病気になっても自覚症状がないことが多く、早期発見が難しい部位です。

今回学んだ大事な役割をしっかりと覚えて、肝臓を大切にして、体に必要な機能を維持しましょう。

ぜひ繰り返しご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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