こんにちは。アラフォーパパです。
前回は、「セントラルドグマ」について解説しました。
セントラルドグマは、遺伝情報からタンパク質が作られる流れを示していましたね。
DNAからRNAへの転写、RNAからタンパク質への翻訳が基本的な流れでした。
そして、この流れが一方向に進むというのが、セントラルドグマのなかでとても重要です。
さて、今回はセントラルドグマに含まれている、転写から翻訳の流れの詳しい内容について話をしたいと思います。
多少、生物基礎の内容を逸脱する可能性がありますが、細かいことを勉強しておいたほうが、理解度が上がると思いますので、ぜひ確認してみてください。
それではご覧ください。
プロを指名出来るオンライン家庭教師スプライシング
最初に、転写とその後の翻訳の直前までに行われている処理について見ていきましょう。
その中でスプライシングという言葉が重要になります。
DNAから転写された段階のRNAはmRNA前駆体と呼ばれ、必要な部分と不必要とされている部分とが組み合わさった状態になっています。
よく出てくる例えが、プラモデルのキットです。
組み立てるのに必要な部分と枠がセットになっています。
そこで、不必要な部分を切って、必要な部分をつなげる工程のことをスプライシングと言います。
そうしてできるのが、mRNAです。
エキソン
mRNA前駆体のうち、必要とされている部分のことをエキソンと言います。
正確には、mRNAに残る部分のことをエキソンというとおぼえたほうが良いかもしれません。
RNAポリメラーゼⅡによってDNAからmRNA前駆体が転写され作成されるときには、エキソンを認識することが出来ません。
しかし、転写中にスプライシングは並行して行われて、mRNAが作成されていきます。
ひとつのタンパク質遺伝子座は、ヒトでは平均して約10個のエクソンから成っています.
ヒトのエクソンの平均長は145塩基であるのに対し、イントロンの平均長は3,300塩基超です。
一般にmRNA前駆体のほとんどの部分はイントロンとして切り出され、「mRNA」になるのはごく一部ということになります.
また、mRNAは前駆体がスプライシングを受けることで、成熟する、と表現されることがあり、成熟したmRNAなどのように表現されることもあります。
イントロン
イントロンは、mRNA前駆体からmRNAに成熟する際に切除される部分のことです。
現在のところは不要な部分とされています。
しかし、実際には遺伝子の発現の制御や翻訳の制御に関わる可能性や、スプライシングの抑制などを担っている可能性があるという研究結果もでています。
未だに存在意義について、はっきりしていない遺伝子領域となりますので、この領域に興味がある場合には大学で研究に携わってみることも目標にしてはいかがでしょうか。
コドン
翻訳に関して、塩基3つとアミノ酸の対応表がすでに作成されています。
核酸の塩基配列が、タンパク質を構成するアミノ酸配列へと生体内で翻訳されるときの、各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のことをコドンという言葉で表しています。
4種類の塩基を3つ繋げた状態のものがコドンと呼ばれますので、そのパターンは64通り(4の3乗)です。
それぞれのコドンにアミノ酸が対応しています。
アミノ酸は20種類ですので、コドンが余ってしまいますが、いくつかのコドンが同じアミノ酸に対応していることもよくあるため、余りのコドンはありません。
また、開始コドン(翻訳を開始するところ)や終止コドン(翻訳終了のところ)もあります。
生物の種類を問わず、ほとんどの生物でコドンとアミノ酸が関係しているため、生物の分化が進む前にこの機構が作られた可能性が考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事は「転写・翻訳の詳細」に関するものでした。
スプライシングという過程をへて、不要と思われている部分を切除して成熟したmRNAが作成されていることはとても重要です。
また、その不要と思われているイントロンも実は何かに使われているのかも?というのが、現在の研究対象であると思われます。
翻訳では、コドンという塩基3つからなる塊とアミノ酸との関係性がありました。
ほとんどの生物でこの関係が共通しているというのは、とてもおもしろい内容だと思います。
ぜひ繰り返しご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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